12球団の“熱烈”識者が語る!昨シーズンと新シーズン

広島識者が挙げるキーマンは坂倉と床田 新井新監督に期待したい先発投手陣の立て直し

Timely!編集部

野手のMVPは坂倉将吾、捕手専念には一抹の不安も

新シーズンではキャッチャー専任となる坂倉将吾選手 【写真:共同通信社】

菊地 2022年で印象深かった試合やターニングポイントになった試合はありますか?

ゴッホ 開幕戦はビジターのDeNA戦だったんですけど、ここを見事に三連勝して広島に帰ってきてからのホーム開幕戦ですね。この試合は阪神に1−2とリードを許している展開で最終回を迎えたんですけど、この9回にみんなで粘って粘って、最後に西川選手がサヨナラヒットを打って劇的な開幕四連勝になったんです。

 僕も観に行っていたんですけど、試合後のお立ち台で上本崇司選手がカープファンの皆さんに向けて「シーズン前の下馬評ではカープが最下位とか悪い書き方をしている人もいるらしいですね。そんなん関係ねぇ! やっちゃろうや!」ってお立ち台で叫んでくれたんです。

 「やっちゃろうや!」という言葉は、開幕戦の試合前のロッカールームで佐々岡真司監督が実際に選手達に向けて言った言葉なんです。この言葉がすごい広島の皆さんを熱くしてくれましたし、今日勝って開幕4連勝、今年のカープは行けるんじゃないか?! ということを思わせてくれましたし、この試合が僕の中ではベストゲームに近い、僕の中では印象深い試合の一つですね。

菊地 出だしはかなり良かったですもんね。

ゴッホ そこから次の日も、また次の日も勝って開幕六連勝という本当に素晴らしいシーズンのスタートを切ってくれましたからね。

菊地 上本選手の調子自体も今年は良かったですよね。

ゴッホ そうなんです。打率も3割を打ちましたしね。

菊地 そんな上本選手の活躍などもあった2022年シーズンの投打のMVPを選ぶと誰になりますでしょうか?

ゴッホ ピッチャーから考えると、森下暢仁投手ですね。ルーキーイヤー以来の10勝に到達しましたし、27試合に登板して投球回がリーグ最多の178.2回。8月には2試合連続の完封勝利という熱い場面もありました。Bクラスに終わったシーズンで、苦しんだピッチャー陣のなかで「次のエース」という活躍をしてくれたんじゃないかなと思っています。

菊地 なるほどなるほど。では続いて野手のMVPをお願いします。

ゴッホ 野手は坂倉将吾選手です。

菊地 あぁー、これは文句なしですよね。

ゴッホ チームで唯一143試合フル出場したこともすごいポイントで、打率が.288、本塁打16本、リーグ4位の155安打というのももちろん評価したいところなんですけど、正直まだまだ、もっともっと良い成績を残せる天才バッターだと思っています。ですので、1年間一番働いた坂倉選手を、来季への期待も込めて野手MVPにしたいなと思います。

菊地 新シーズンはキャッチャー専念という構想なんですよね?

ゴッホ キャッチャー1本でいきたいと、本人も発表しているんですけど、カープファンとしてはやりたいポジションで選手が頑張ってくれるのが理想ではあるんですが、でも143試合キャッチャーでとなると難しいと思うんですね。キャッチャーには會澤翼選手もいますし、石原(貴規)選手も素晴らしいキャッチャーですし、そして磯村(嘉孝)選手も素晴らしいリード、バッティングも良いので、ライバルが多すぎる広島の「キャッチャー王国」のなかで、じゃあバッティングの素晴らしい坂倉選手が新シーズン、キャッチャーとして何試合に出場できるのかっていうのは、不安要素の一つでもあります。

 ただ、坂倉選手が捕手1本宣言をした直後くらいに、新井貴浩監督がマツダスタジアムをちらっと観に行ったときに坂倉選手を監督室に呼んだんです。そこで開口一番、新井監督に「お前、なんかキャッチャー1本でいきたいって言ってるよな? 俺は元々、お前をキャッチャー以外でやらせるつもりはないからな」って言ったそうなんです。そして「正捕手を會澤から奪えよ」とも言ったそうなんです。

菊地 キャッチャーという負担の大きいポジションで、素晴らしい打撃成績を維持できるかというのは非常にポイントになりそうですね。維持できたらすごいチームになりそうですけどね。

ゴッホ 3割30本打ってキャッチャーを守ってとなったら、球界の中でも伝説的な、歴史に名を残せるキャッチャーの一人になれるんじゃないかなって、カープファンはみんな思っていますね。

菊地 カープ史上のなかでも、なかなかいなかった強打の捕手という感じになるかもしれないですよね。

ゴッホ カープ史上で最強のキャッチャーは、今のところ達川光男さんになっているので、達川さんを含めたレジェンドたちに肩を並べるキャッチャーになってもらいたいですね。

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