堀口恭司、注目の大みそか決戦を語る「自分がフィニッシュして決めるところを見てほしい」
「今回、自分が対戦する相手」としか考えていない
堀口恭司「前にやって勝ったからとか、そういう気持ちはないですね」 【(C)アローズエンタテインメント】
やっぱり格闘技って、相手のペースになることが一番イヤなんですよね。どんな相手にもいえることなんですけど、相手のペースにさせられちゃうというのはイヤですね。これまでの対戦では、そこをさせないようにはできたと思いますけど。
──その点で見ると、前回、2018年の対戦は今振り返ってどうですか? 堀口選手もかなり攻め込んだ中で判定までいって、ところどころでは扇久保選手が攻めていた時間もあったと思いますが。
うーん、まあそれほど相手の時間になったというのはなかったかなと思いますけどね。判定まで持ち込まれて、そこはうまかったと思います。寝技・立ち技の両方ができるので、なかなか穴がないというか。
──立って向かい合ったときに、扇久保選手はかなりスイッチしていました。そこは気になりましたか?
自分がスイッチするので、そこに合わせてという部分と、それが自分への対策練習だったのかなと思いますけど、自分としてはそんなに気にならなかったですね。自分のやることはいつも全く変わらないし、相手に合わせない、相手のペースにさせないというのが、勝つための一番の方法なので。
──これだけ同じ相手と4~5年間隔で3回対戦となると、その時々の成長や進化を確認できるような気もするんですが、ご自分としてはどうですか?
まあ、1試合1試合、全部違う感覚で受け止めているので、「前にやって勝ったから」とか、そういう気持ちはないですね。だから「今回、自分が対戦する相手」としか考えていないので、それ以上の感情とかは全くないです。思ってもムダですからね。過去2回勝っているのも、今回とは関係ないです。
パーフェクトに近い戦い方ができるようになっている
堀口恭司(写真右)「寝技も立ち技もできてどこも苦手な部分がなくて……」 【写真:Motoo Naka/アフロ】
自分ではなかなか分からないですけど……だんだん、パーフェクトに近い戦い方ができるようにはなっていると思います。寝技も立ち技もできてどこも苦手な部分がなくて、ちゃんと総合格闘技の試合ができる。
──初期は打撃が突出した印象があって、それこそ1回目の扇久保戦が初めてのサブミッションでの勝利でした。それを考えると、かなりの進化ですよね。
そうですね。まあ、あの頃はたまたまそういう練習もしてたからサブミッションで取れたんですけど、今は狙って取れますからね。そこは大きな差かなと思っています。
──最近公開された「RIZIN CONFESSIONS」でもマイク・ブラウンさんとの練習について話されていました。今の練習で一番いいところは?
やっぱりヘッドコーチがいて、そのコーチが全部指示してくれるんですよね。「オマエはレスリングができないからレスリングの練習をしろ」とか、いろいろと。その組み合わせをヘッドコーチが最終的に全部やってくれるので、選手は任せておけばいいというところはいいと思います。もちろん選手自身も足りないところをコーチに聞いたりするんですけど、そこでヘッドコーチが的確なアドバイスをくれますね。日本ではまだ自分で全部やらないとダメなのが、一番大きな違いだと思います。
──日本では「いいところを伸ばす」という部分が先に立っている感じがするんですが。
その違いでいうと、向こうでは一つのジムに全部が揃ってますからね。レスリング、柔術、打撃が一つのジムでできてしまいますから。でも日本ではそれを全部やろうと思ったら、いくつものジムを転々としないといけないですよね。そこで時間の差もできるし、コーチがカリキュラムをまとめてくれるので、楽ですよね。そこで大きな差ができてますよね。本人次第ではありますけど、新しい技術が入りやすいというのはあると思います。
──さて、今回も大みそかの大舞台で、大きな勝負だと思います。一番見せたいところはどこですか?
やっぱり格闘技って人を引きつける力があると思うので、ここでしっかりと自分がフィニッシュして決めるところを見てほしいなと思います。
──この試合を勝利で終えたら、2023年はどうしたいですか?
格闘技というものを、もっともっと根付かせていきたいなと思っています。そういう活動もどんどんしていきたいですね。
プロフィール
1990年10月12日生まれ、群馬県出身。5歳で空手を始め、高校卒業後、山本“KID”徳郁のジムに入門。修斗2010年度新人王決定トーナメントでプロデビューを果たす。2013年からUFCに参戦。18年の大みそかにRIZINバンタム級タイトルマッチでBellatorのバンタム級王者ダリオン・コールドウェルを下し初代王者となる。19年にはBellator世界バンタム級タイトルを賭けてダリオン・コールドウェルと再戦して判定勝利。史上初の2団体同時制覇を成し遂げる。その後も、世界トップクラスの総合格闘家として活躍を続ける。165センチ・61キロ。