クラブフィッター小倉さんがキャロウェイ「ローグST MAX フェアウェイウッド」を改造してみた

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クラブフィッターの小倉勇人さんがこだわりの1本を語る本企画。今回はキャロウェイ「ローグST MAX フェアウェイウッド」について語っていただきました。

ローグST MAXフェアウェイウッドの特徴

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いま人気で売れているローグST MAXフェアウェイウッドの特徴は、ラインナップが多いということです。3・4・5・7・11番と他のフェアウェイウッドには無いラインナップが多く用意されています。

ショートウッドはパワーのない人がよりボールを上げやすくしたり、アスリート向けではないポジションのクラブです。理由はロフトのあるフェアウェイウッドは、ボールがつかまり過ぎてしまうからで、構造的に自然とつかまる方向に動くんです。

つかまり機能が強いフェアウェイウッドは、上級者やプロにとってつかまり過ぎてしまいます。ある程度ヘッドスピードのある人は、ユーティリティやロングアイアンで狙える距離と重なるので上級者は触れない番手になってます。

自分に合うショートウッドを作ってみた!

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球が上がりやすくボールがつかまるというのは、アマチュアにとってはメリットだと思います。ただ、私自身ショートウッドを今まであまり触ったことがなかったので、今回は「自分に合うショートウッドを作ってみよう」ということで、ローグST MAXの9番と11番を購入しました。

ローグST MAXの9番と11番の改造のポイントは、つかまり過ぎを抑えるということと、自分の振り心地を他のクラブと揃えるということです。

ローグST MAXフェアウェイウッド9番の改造

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まずリシャフトが終わったのが9番です。プロパーで買ったシャフトの仕様がN.S.PRO 950FW(スチール製)でした。つかまる性能を抑えるために、スチールシャフトは有効だと思い購入しました。11番ウッドはまだそのままです。

9番と11番を打ってみた感想としては、普通の5番や3番ウッドと同じようなイメージで打つと、思ったよりもミート率が上がらない印象でした。

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理由はFP値にあります。FP値とはシャフトを垂線にした場合のフェースの出っ張り具合です。パターでクランクネックなどはフェース面が引っ込んでますけど、逆にFP値が大きくなると、フェース面が出ています。

ロフトが大きくなるほど、どうしてもフェース下部が出てしまうんです。FP値が大きくて出っ歯になります。

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FP値が大きくなると、インパクト時に思ったより早くボールに当たりやすくなるので、自分で思った通りに振っても、少し突っついたトップ気味のボールになりやすかったんです。

ノーマルのままだとつかまり過ぎます。スライス系のミスが多い人にはおすすめできますが、左のミスを嫌がる人には、そのままでは使いづらいのはプロパーの状態での印象です。

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まず手を加えたのはシャフトです。私のスプーンにも入れている、日本シャフト N.S.PRO Regio Formula(カーボン製)です。

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非常にミートしやすいシャフトで、すごく信頼しています。本来はドライバー用ですがショートウッドにも入れました。重さは75gで少し軽いかなという感じです。長さは41インチで通常の9番ウッドと同じくらいです。

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ポイントはチップカットを入れている点。ショートウッド特有のつかまりを抑えるために、1インチチップカットしました。これはかなり多い方です。1インチ チップカットすることで先端の動きを抑え、つかまりを抑えています。

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実際にこれでつかまりはかなり収まりました。このまま使ってもフェードボールが打てるくらいになりました。

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ちゃんと改造すれば9番ウッドも十分使えます。球も高く上がるし、大体飛距離が190〜195ヤードで、上からズドンと落ちてグリーンでほとんど転がらないような、直接ピンを狙えるクラブに仕上がりました。ヘッドスピードが40〜41m/sの人が、長めのコースでこういうクラブがあるといいだろうなと思います。

9番をリシャフトした結果、アマチュアには有効なクラブだと感じました。もちろん9番の距離は、現状はユーティリティや他で代替えするクラブがあるので、そちらが調子がいい人はそっちを使っていいと思います。

ただ、選択の幅を広げるということを考えると、もう少し高弾道でグリーンを狙いたい人、180〜190ヤードをランなしに上から攻めたい人に有効なクラブだと思います。

特に今回はショートウッドのFP値による打点の違いを感じました。打ち方も含めてそのシャフトに合ったものを考えていくと、無限に楽しめます。

今回のような話を共感してもらえる人がいたら嬉しいなと思います。また11番ウッドをリシャフトしたらご報告します。

ローグSTのFWをチェック!

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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