成長真っ只中! 奇数コースで強い佐藤航
【(C)BOATRACE 佐藤航】
たとえば、ヨーロッパサッカー。
「スコアレスドロー」という言葉があるように、引き分けでも0-0を特別視する文化がある。
「互いに堅い戦法で相手に得点を許さなかった内容の濃い試合」という意味といわれている。
ボートレーサーに対する評価にもそういう面はある。
「まくり屋」「差し屋」「イン屋」「アウト屋」…など、ファンはその戦いぶりを評価しながら予想している。
そういう意味で個性あるレーサーは若いうちから注目したい。
【(C)BOATRACE 佐藤航】
特徴は奇数コースで強いこと。今年に入ってからのコース別1着率は次のとおりだ。
1コース 70.0%
2コース 8.0%
3コース 15.3%
4コース 11.5%
5コース 15.6%
6コース 4.0%
自力勝負を持ち味としていることが分かる。
2019年5月デビューの124期生は、戸田のデビュー節でいきなり3着を奪取。素質の高さを示した。さらに、3大会目の桐生(7月)で水神祭を飾っている。
プロ3年目の22歳は、2021の年最優秀新人選手に輝いた同県の2期先輩畑田汰一に次ぐ注目株。まだ優勝はないが、2022年後期勝率は5.92。2期連続のA2としているだけでなく、これまで勝率を下げたことがないのである。
父とともに戸田でボートレースに親しんだ少年は、天然自然にレーサーを目指すことになった。憧れの職業を手にしたそこには「夢」が存在している。
多少の苦難は、その「夢」が乗り越えさせてくれるに違いない。
来月から9月20日開幕のヤングダービー(多摩川)まで関東地区のレースが続く佐藤航。
持ち味を磨き、ファンにアピールすることで実力をつけていくことだろう。
その時、ファンは「奇数コースの男」と呼ぶやもしれぬ。
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