【記録と数字で楽しむ第106回日本選手権】女子やり投:日本歴代6位中5人の60m超えの選手たちが参戦。過去最高レベルの戦いに注目

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【フォート・キシモト】

6月9日〜12日に大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる「第106回日本選手権」の見どころや楽しみ方を『記録と数字』の視点から紹介する。

【女子やり投】

・決勝/6月11日(土)15:35

日本歴代6位中5人の60m超えの選手たちが参戦。過去最高レベルの戦いに注目

■主な記録一覧(2022年6月8日現在)
・世界記録 72m28
・アジア記録 67m98
・日本記録 66m00
・U20日本記録 61m38
・学生記録 66m00
・大会記録 63m68
・今季世界最高 65m70
・今季アジア最高 63m93
・今季日本最高 63m93
・‘22オレゴン世界選手権参加標準記録 64m00
5月8日のセイコーGGPで北口榛花(JAL)が、今季アジア最高の63m93(=パフォーマンス日本歴代3位)をマーク。オレゴン世界選手権参加標準記録まであとわずか7cmに迫った。6月8日時点の今季世界最高との差もわずか1m77cm。今大会全種目を通じて最もワールドリーダー(今季世界最高)に近い存在かもしれない。北口は過去64m以上を2019年に2度(66m00、64m36)投げており、世界選手権参加標準記録突破や大会記録更新の可能性は十分にある。


■過去10年の優勝者(所属は当時のもの)
年 記録 選手 所属 優勝回数
2012年 62m36 海老原有希 スズキ浜松 AC 5回目
2013年 60m41 海老原有希 スズキ浜松 AC 6回目
2014年 57m77 海老原有希 スズキ浜松 AC 7回目
2015年 59m11 海老原有希 スズキ浜松 AC 8回目
2016年 58m35 宮下梨沙 大体大T.C 2回目
2017年 60m64 海老原有希 スズキ浜松AC 9回目
2018年 60m79 斉藤真理菜 スズキ浜松AC 初
2019年 63m68 北口榛花 日本大 初
2020年 59m32 佐藤友佳 ニコニコのり 初
2021年 61m49 北口榛花 JAL 2回目
北口が勝てば3回目の優勝。1999年のやりの規格変更後では、海老原有希(9回)、三宅貴子(4回)に次ぐ優勝回数となる。斎藤、佐藤が勝てば2回目の優勝。その他の選手が勝てば初優勝となる。

海老原引退後の混戦状況から北口が一歩抜け出し、「北口時代」の足掛かりとするか。佐藤・斉藤の返り咲きか、はたまた新王者の誕生か。


■資格記録順(資格記録有効期間2021年1月1日〜2022年5月22日)
資格記録 選手 所属 自己記録
63.93 北口榛花 JAL 66.00
62.39 武本紗栄 佐賀スポ協 62.39
61.75 上田百寧 ゼンリン 61.75
61.01 佐藤友佳 ニコニコのり 62.88
59.42 斉藤真理菜 スズキ 62.37
59.37 長麻尋 国士舘クラブ 59.37
58.87 奈良岡翠蘭 日本大 58.87
57.75 山元祐季 九州共立大 57.75
57.70 西村莉子 三菱電機 57.70
57.44 久世生宝 コンドーテック 58.98
過去、日本人で60m超えを果たしているのは8人いるが、その内5人がエントリー。日本歴代リスト順位では、北口が1位、佐藤が3位、武本が4位、斉藤が5位、上田が6位となっており、間違いなく過去最高レベルの戦いとなる。

昨年の世界リストを見ても、武本(62m39)が20位、北口(62m06)が24位、上田(61m75)が25位、佐藤(61m01)が37位と、資格記録上位4人が世界50傑入り。4人以上が60mを超える記録をマークしている国はアメリカ、中国、日本だけ。世界基準でもハイレベルな争いとなりそうだ。


■2022年記録順(2022年6月8日現在)
記録 選手 所属
63m93 北口榛花 JAL
60m49 上田百寧 ゼンリン
59m46 武本紗栄 佐賀スポ協
59m42 斉藤真理菜 スズキ
59m37 長麻尋 国士舘クラブ
60mスロワーの北口・上田・武本・斉藤が、シーズン序盤から自己記録に迫る記録を残しており、好調な出足。続く、長も5月1日の木南記念で、59m37の自己新を出し、日本人女子史上9人目の60m超えに近づいた。


■資格記録上位選手の日本選手権やり投入賞歴

【JAAF】

入賞回数6回の北口・斉藤・久世、6年連続入賞中の佐藤など、長く安定して結果を残している選手が多い。佐藤については東大阪敬愛高3年時の2010年と東大阪大1年時の2011年にも4位に入賞しており、入賞回数は合計10回となる。


■日本選手権決勝における「順位別最高記録」
順位 記録 年
1位 63m68 2019年
2位 62m88 2019年
3位 59m53 2017年
4位 59m10 2017年
5位 58m67 2017年
6位 57m74 2017年
7位 56m82 2017年
8位 55m34 2017年
2位の順位別最高記録62m88は、2019年に北口が63m68で優勝した時に、佐藤が出した記録。複数選手が60m超えを果たしたのは、日本選手権では2019年のみ。日本選手権に限らず、あらゆる大会において、日本人2人が同時の62m超えをマークしたのは、過去この時のみである。

3位以下の順位別最高記録は全て2017年にマークされたもの。2017年は、今年と同じく長居が会場だった時である。エントリー選手の資格記録を見ても、3位以下の順位別最高記録が全て塗り替わる可能性は大いにある。

5年前と同じ長居の舞台で、ビッグスローの応酬を期待していただきたい。

■日本選手権における60m以上の記録 ★は日本新
年 記録 選手
1989年 63m44 張麗
2001年 60m12 三宅貴子
2011年 60m08 宮下梨沙
2012年 62m36★ 海老原有希
2013年 60m41 海老原有希
2017年 60m64 海老原有希
2018年 60m79 斎藤真理菜
2019年 63m68 北口榛花
2019年 62m88 佐藤友佳
日本選手権における60m以上の記録を出した選手をまとめた。一つ前で述べたように、過去複数選手が60mを超えたのは、2019年のみ。今年は、2人どころか史上初の3人、史上初の4人、史上初の…、の勝負となるかもしれない。


JAAFメディアチーム

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