北京パラの注目選手、メダル候補たちを紹介 10日間にわたる雪と氷の祭典が本日開幕
狙うは頂点! エースが新境地に挑む
アルペンスキーでは、男子座位の森井大輝が悲願の金メダルに挑む 【写真:ロイター/アフロ】
クロスカントリースキーでは、日本代表選手団の旗手を務める21歳の川除大輝(日立ソリューションズジュニアスキークラブ)が表彰台を目指す。パラリンピックは高校2年で平昌大会に初出場。翌19年には世界選手権のクラシカル(20キロ)を制している。これまで3つの金メダルを獲得している新田佳浩(日立ソリューションズ)の背中を追いかけ、ライバルになるまで成長した。課題に挙げ、強化してきた体幹も「仕上がっている」と川除。「4年間積み上げてきたものをすべて発揮すれば、成績はついてくると思っている」と自信を見せる。
スノーボード日本代表は、平昌大会の3人から6人に倍増。一丸となってトレーニングに取り組み、互いにアドバイスを送りあって成長を遂げてきた。そんなスノーボードチームをまとめてきたのが、キャプテンの小栗大地(三進化学工業)だ。元スノーボードのプロ選手で、仕事中の事故で右脚をひざ上から切断。義足を着けて雪上に復帰すると、平昌大会ではバンクドスラロームで6位、スノーボードクロスでは7位入賞を果たした。そんな第一人者が平昌大会後は大きく舵(かじ)を切り、義足が前側、健足が後ろ側になるグーフィースタンスに変更した。違和感なく滑ることができるようになるまで実に3年を要したが、後ろ側の健足でしっかりと雪面を蹴ることでスピードが増し、世界トップ選手が集結した昨年12月のW杯で2位になるなど結果に繋(つな)げている。北京大会では追求してきた新たな滑りで最高峰の舞台に挑む。
豆知識 〜公平なレースを行うための「係数」とは〜
アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロンでは障害の種類によって、座位、立位、視覚障害のカテゴリーに分けられる 【写真:アフロスポーツ】
なお、立位クラスのみのスノーボードは、上肢の麻痺(まひ)や切断などの上肢障害(UL)、大腿切断など比較的障害程度が重い下肢障害(LL1)、ひざ下切断など比較的障害程度が軽い下肢障害(LL2)に分かれており、計算タイム制は採用していない。
こちらも注目! 車いすカーリングとアイスホッケー
アイスホッケーは15分3ピリオド制の男女混合競技。下肢障害の選手がスレッジと呼ばれるそりに乗り、短い2本のスティックで氷を漕ぎ、シュートを打つ。トップチームの選手は腕力だけとは思えないスピードで駆け抜ける。一般のアイスホッケーと同様に身体を張ったボディチェックが認められており、その迫力はまさに「氷上の格闘技」だ。
氷上競技ではこの2競技が実施される。今大会は残念ながら日本代表は出場しないが、奥深い世界をぜひチェックしてみてほしい。