男子は張本、及川を中心に混戦 女子は五輪3人組+早田の4強 全日本卓球選手権展望
男子シングルス解説
昨年覇者の及川瑞基は今年もV候補だ 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】
このブロックの本命はディフェンディングチャンピオンの及川瑞基(木下グループ)。前大会は準々決勝で張本智和(木下グループ)を倒し、決勝では、世界選手権代表の森薗政崇(BOBSON)にゲームカウント1-3から、大逆転勝ちして初優勝を掴んだ。Tリーグでも開幕から16連勝を記録するなど、驚異的な強さで断トツの成績を残している。今大会も優勝候補筆頭となる。
注目は2020年王者の宇田幸矢(明治大学)。前大会は第1シードでまさかの初戦負けだったが、今年はチャレンジャー精神で臨み、2年前の高校3年生で優勝した爆発力を見せられるか。
御内健太郎(シチズン時計)は男子では貴重なカットマン(台から離れてカットで粘る守備型のスタイル)。前大会は張本にゲームカウント3-4で惜しくも敗戦。東京五輪ではスパーリングパートナーとして、日本チームのメダル獲得に貢献した。水谷隼と同世代の33歳。ベテランの勝負強さを発揮できるか。
草野さん注目の龍崎東寅(三井住友海上火災保険)は、スーパーシードで4回戦から出場。水谷さんが組み合わせは悪くないと言った松平健太(ファースト)はノーシードから勝ち上がれるか。
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14歳で史上最年少優勝を飾って以来の優勝を狙う張本智和 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】
本命は張本智和。全日本では14歳で史上最年少優勝を果たしてから、3大会優勝を逃している。昨年はシングルスで思うような結果を残せなかったが、東京五輪では団体銅メダル、世界選手権では混合ダブルスで銀メダルと、世界の舞台で初のメダルを獲得した。実績、実力では頭一つ抜けているので、いかにメンタルをコントロール出来るかがカギ。
注目は田中佑汰(愛知工業大学)。前大会では東京五輪代表の丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)を準々決勝で倒し、初のベスト4。今シーズンはドイツのブンデスリーガに武者修行し、世界の強豪に度々勝利している。昨年負傷した吉村真晴(愛知ダイハツ)は全日本までに間に合うか。いずれにせよ、このブロックは張本を中心の展開が予想される。
水谷さんとプライベートでも仲が良く、草野さん注目の有延大夢(琉球アスティーダ)は勝ち上がると、スーパーシードの神巧也(T.T彩たま)との対戦。神にとっては初戦から厳しい戦いとなる。
◆第3ブロック
このブロックは本命不在。前大会ベスト4の吉田雅己(木下グループ)、2019年2位の大島祐哉(木下グループ)、東京五輪代表の丹羽孝希を中心に混戦が予想される。
注目は世界ユースU19混合ダブルス優勝の篠塚大登(愛工大名電高校)。Tリーグでは、T.T彩たまに所属し、昨シーズンはベストペア賞(ダブルス最多勝)を受賞。丹羽のシード下に入っており、天才サウスポー同士の対戦は興味深い
中学2年生で世界ユースU15三冠王の松島輝空(星槎中学)は、Tリーグでシングルス初勝利を上げ、ダブルスでは勝ち越している。東京五輪代表の張本は中学2年で優勝。水谷、丹羽はベスト16と世界で活躍する先輩たちは中学時代から全日本で結果を残してきた。将来が期待される逸材は、今回の全日本でどこまで勝ち上がれるか注目される。
◆第4ブロック
このブロックも混戦模様。前大会2位の森薗政崇、世界選手権代表の戸上隼輔(明治大学)、前大会ベスト8の英田理志(愛媛県競対)、Tリーグで及川、戸上に勝利している曽根翔(愛知工業大学)を中心に誰が勝ち上がってもおかしくない。
他にも、2016年準優勝の吉村和弘(岡山リベッツ)、全日本社会人チャンピオンの上田仁(T.T彩たま)と実力者がいる。注目はインターハイ3冠王の谷垣佑真(愛工大名電高校)。実力、経験ともにシニアレベルでは、まだまだだが爆発力を秘めており、波乱起こす可能性は十分にある。