連載:データで可視化「球団別・長所と短所」

戦力図を変えた“実績”のない選手達 データで可視化「球団別・長所と短所」セ・リーグ投手編

巨人

【データ提供:データスタジアム】

長所:先発、救援ともに主力投手が複数存在
短所:勝ちパターン以外の救援投手


 菅野、メルセデス、山口の3人は規定投球回到達こそならなかったが高いパフォーマンスを発揮。中でも菅野は好調だったとは言い難く、本来の状態を取り戻せばより強固な3本柱が形成されるだろう。一方で昨季飛躍を遂げた高橋は失点抑止の観点では大きなマイナスをつくってしまった。要因のひとつが4.86という奪三振率の低さだが、1年目には同8.61を記録していた。今季はその水準付近まで三振を増やせるかどうかが貢献度アップのポイントになる。また今オフはアンドリースが先発候補として加わったが、メルセデス、ビエイラ、デラロサはそれぞれ重要な役割を担っており、野手陣も含めて外国人枠をどのようにやりくりするのかは首脳陣の手腕が問われるだろう。

 救援陣に目を向けると勝ちパターンを務めた投手は高い貢献度を示しているが、ビハインドを中心に投げた投手が振るわず、全体の貢献度はリーグワーストとなった。これまで先発を務めてきた投手や現時点での育成選手も含め、新しい戦力の台頭が待たれる。

広島

【データ提供:データスタジアム】

長所:先発、救援それぞれに大きな柱が存在
短所:主力に次ぐ投手


 先発陣はエース・大瀬良と後半戦に安定感を見せた床田が高い貢献度を示している。一方で最多勝に輝いた九里や高卒2年目の玉村は、三振の少なさや被本塁打の多さから貢献度がマイナスとなった。ただ6枠ある先発ローテーションを埋める必要を考えると、一定のイニングを消化できる2人は重要な戦力といえるだろう。また二軍に目を向けると高橋昂や小林といった有望な投手もそろっており、先発候補の新助っ人アンダーソンも加えてより高いレベルでのローテーション争いを期待したい。

 救援陣ではルーキーの栗林と森浦、昨年3月に支配下登録されたコルニエルと新戦力が主力として活躍したが、2年目以降の投手は思うような結果を残せなかった。ドラフトでは今回も大学生、社会人から計3投手を支配下選手として指名しており、昨季に続きブルペンの層に厚みをもたらす投手が出現するか注目だ。

中日

【データ提供:データスタジアム】

長所:柳、大野雄の2枚看板。層の厚い救援陣
短所:救援左腕の不足


 柳、大野雄の2人だけで30点に迫る失点抑止に貢献しており、球界屈指の2枚看板として先発陣をけん引している。二軍には梅津や清水、高橋宏ら期待の投手もそろっており、先発ローテーション争いに加わってくると面白い存在となるだろう。

 救援では、セットアッパーとしてチーム最多の66試合に登板した又吉がFA権を行使してソフトバンクへと移籍した。貢献度はチーム4位の高さでダメージがないわけではないが、昨季20試合以上に救援登板した投手は又吉を除く7人中6人が平均以上の貢献度。さらに人的補償では実績十分の岩嵜も加わり、層の厚さである程度はカバーできるだろう。ただし左腕は福に頼る部分が多く、さらなる選手の台頭が求められる。シーズン序盤に結果を残した橋本や、ドラフト3位ルーキーの石森らが、分厚いリリーフ陣に割って入ってくることを期待したい。

DeNA

【データ提供:データスタジアム】

長所:今永、大貫の存在
短所:先発投手の駒不足。絶対的な救援投手の不在


 昨季は今永と大貫が先発陣の中で高い貢献度を示しており、チームにとって貴重な存在となった。特に大貫は防御率こそ4点台だったが、三振やゴロ打球の多さが評価を押し上げてチームトップの数字を残している。今季はその2人に続く投手が出てきてほしいところだが、昨季2試合の登板にとどまった平良は、トミー・ジョン手術を受けた関係で今季中の復帰が微妙な状況にある。またドラフトでは2位・徳山、4位・三浦と2人の大学生右腕を獲得したものの、そのほかの補強は現時点で救援候補のクリスキーのみ。先発陣の底上げには、昨季後半戦に好成績を残したロメロや、故障から復帰した東が安定したパフォーマンスを見せられるかが大きなポイントとなるだろう。

 救援投手もチーム全体で大きな弱点となっているわけではないが、登板数上位の投手でも貢献度は伸びておらず、絶対的な投手がいなかったことが見てとれる。昨季は35回1/3を投げた伊勢が6.0点分の失点抑止に貢献しており、先述した新助っ人のクリスキーとともに勝利の方程式の一角に入ってくることを期待したいところだ。

総括

 昨季は阪神と中日がほかの4球団に大きな差をつける結果となったが、投手はルーキーをはじめ実績のない選手が一気に戦力図を書き換えるケースも珍しくない。昨季は広島の新人投手3人が開幕一軍をつかみ、その中の1人である栗林がリーグ屈指の守護神となった。そして日本一に輝いたヤクルトの投手陣を支えたのは、高卒2年目の奥川、前年1勝の高橋の両先発であり、プロ入り後7年間で通算0ホールドの今野でもあった。選手たちは22年のキャンプインに向けた自主トレをスタートさせているが、今年もそうした飛躍を遂げる選手が現れるのか注目したい。

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