都市対抗に出場するドラフト勢・野手編 広島ドラ6は日本人離れしたパワーが魅力

西尾典文

末包昇大(広島6位):大阪ガス(大阪市)

広島ドラ6の末包昇大。巨漢だが外野手としての動きも悪くない 【写真は共同】

 日本人離れした体格とパワーが魅力の外野手。高松商高では4番として活躍していたが、東洋大では選手層の厚いチーム事情もあって、4年間でリーグ戦通算6安打に終わっている。それでも長打力が評価され、大阪ガスに入社。2年目となる昨年の後半から中軸を任されるようになると、3年目の今年は4番として日本選手権優勝にも大きく貢献し、広島から6位指名を受けた。侍ジャパン社会人代表候補合宿では、参加した選手の中で最速の打球速度をマークしているように、とらえた時の打球の速さと飛距離はプロでも上位に入るだけのものがある。187センチ、110キロと巨漢だが、外野手としての動きも悪くなく、肩の強さも持ち味だ。鈴木誠也のメジャー移籍が濃厚なだけに、1年目からレギュラー争いに加わりたい。

豊田寛(阪神6位):日立製作所(日立市)

 東海大相模高では2年連続で夏の甲子園に出場し、3年時には4番としてチームの優勝に大きく貢献。大会後にはU18W杯にも出場している。国際武道大でも早くからレギュラーの座をつかむと、4度のベストナインを獲得し、リーグ戦通算100安打も達成した。日立製作所でも1年目から外野の一角に定着。今年はクリーンアップを任されると、都市対抗予選でも2試合連続ホームランを放つなどの活躍で第1代表獲得に大きく貢献した。無駄な動きの少ないスイングで広角に鋭い当たりを放つ打撃が持ち味。長打力はもちろんだが、状況に応じたチームバッティングができるのも特長だ。たくましい体つきだが、脚力も備えており、外野の守備も安定している。貴重な右の外野手として、1年目から一軍戦力として期待したい。

上川畑大悟(日本ハム9位):NTT東日本(東京都)

 抜群の守備力が持ち味の職人タイプのショート。高校時代は無名の存在だったが、日本大では1年秋からセカンドのレギュラーに定着すると、2年秋には4割近い打率を残し、チームの明治神宮大会出場にも大きく貢献している。NTT東日本では高い守備力が評価されて、1年目からショートの定位置を獲得。昨年は指名漏れを経験したものの、今年も変わらぬ守備を見せて、支配下では最下位指名ながら念願のプロ入りを果たした。広い守備範囲と堅実さを兼ね備えたショートの守備は社会人でもトップクラス。課題の打撃もしぶとさが増し、都市対抗予選ではチームトップの5打点をマークした。本大会でもシートノックからその軽快な守備にぜひ注目してもらいたい。

2/2ページ

著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント