【いよいよ大詰め】賞金女王に輝くのはいったい誰?有力選手5人の見どころを解説!

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【ロイター/アフロ】

コロナ禍の影響で、年をまたいでのツアーとなった2020-2021シーズン。例年に比べて、試合数が多いためか、調子の良い有力選手が複数回優勝を重ねるケースが多くなっています。シーズン獲得賞金が一流選手の証といえる1億円を超えた選手はすでに11人。シーズン終了後は、15名程度になりそうで、過去のデータもあまり参考にならない未曾有のシーズンとなりました。

複数年優勝が増えたため、俄然面白くなっているのが賞金女王争いです。かつてない高いレベルで、この長いシーズンを制する戦いが激しさを増しています。そこで今回は、ゴルフライターのコヤマカズヒロさんが、有力な賞金女王候補を紹介し、その見どころを解説します。※データは「TOTO ジャパンクラシック」終了時点。

【稲見萌寧】今シーズン8勝! ツアーを牽引する銀メダリスト

写真:ロイター/アフロ 【ロイター/アフロ】

賞金女王争いをリードするのは、稲見萌寧選手です。2020年は1勝でしたが、今年は「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」で優勝したのを皮切りに春先から勝ち星を重ね、すでにシーズン通してすでに8勝を挙げています。

稲見選手の強みはなんと言ってもショット力。パーオン率のスタッツは75.46%と堂々のツアー1位。もともとショットの評価は高かったのですが、今シーズンは平均パット数が3位(※1.770)、リカバリー率は1位(※70.55%)とすきがありません。

実は2位が4回、ベスト10フィニッシュは23回もあり、持ち前のショットに加え、パッティングとアプローチが向上したことで安定した戦いが出来るのも強み。夏には、東京五輪で銀メダルに輝くなど、今シーズンの女子ツアーを牽引した立役者です。

唯一にして最大の不安材料は、「NOBUTAグループ マスターズGCレディス」を棄権する原因にもなった腰痛。残り試合、稲見選手がどれだけ万全の体調でプレーできるかが、賞金女王争いを左右する最大のポイントになりそうです。

【古江彩佳】直近4試合で3勝! 賞金女王候補最右翼に浮上

2019年の「富士通レディース」で史上7人目のアマチュア優勝を達成し、2020年にはシーズン後半で3勝を挙げた、プラチナ世代の中でも頭一つ抜けた存在である古江彩佳選手。ドライバーを新しいブリヂストン『B1』に変更した効果もあってか、直近の4試合でなんと3勝。シーズンの通算勝利数は6となり、現在の獲得賞金は、2億3000万円を突破しました。

賞金ランキング現在トップの稲見萌寧選手とは、約400万円差に肉薄。2人のマッチレースのような試合展開となった「TOTOジャパンクラシック」では、最終日ノーボギーで快勝。現在、もっとも調子の良い選手であり、昨年の残り3試合は優勝、優勝、2位と得意としている試合。一時は稲見選手の独走かと思われた賞金女王レースですが、ここへ来て、女王候補の最右翼に浮上してきたのが古江選手です。

【小祝さくら】シーズン5勝と飛躍の年に!

2021年の開幕戦、「ダイキンオーキッドレディス」に優勝して以来、シーズン通して活躍を続けているのが小祝さくら選手です。2018年は38試合、2019年は39試合と全試合出場。2020-2021シーズンもすでに49試合に出場している“鉄人”です。

ショット力があり、ショートゲームにも上手さを見せる、ウィークポイントのない選手で、落ち着いたプレースタイルも持ち味のひとつです。この長いシーズンでやはり好不調の波があるようですが、成績も非常に安定しています。

現在、賞金ランキングは3位。今シーズンは優勝5回と飛躍のシーズンになりましたが、賞金女王の座を掴むには複数回の優勝が必要。最終戦まで最後の頑張りが求められそうです。

【西村優菜】正確なショットとパッティングの上手さ

有力選手の多いプラチナ世代の中で、150cmと小柄な西村優菜選手はどちらかというと注目度はそれほど高くなかったかもしれません。しかし、昨年「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」で初優勝を果たすと、「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」ではトーナメントレコードでメジャー初勝利。9月には2週連続優勝するなど、シーズン4勝を挙げています。

飛距離はそれほど出るわけではないですが、長い距離が残ってもFWとユーティリティの上手さで、ピンを狙える隠れたショットメーカーです。パッティングも上手く、平均パット数はツアー4位(※1.770)。マネージメント力に優れた、非常にクレバーな選手です。小祝選手と同じく、賞金女王には複数回の優勝が必要ですが、最後までツアーを沸かせてくれそうな選手です。

【渋野日向子】復活優勝を果たし、調子上向きな“シブコ”

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ 【USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

現在、賞金ランキング18位と賞金女王争いには絡めそうもないですが、ここへきて非常に存在感を増しているのが渋野日向子選手です。2019年の活躍があまりに印象が強く、スイング改造の影響もあって不調と思われがちですが、昨年も全米女子オープンで最後の最後まで優勝争いするなど、決して活躍していないわけではありません。

春には海外の試合に出ることも多かったのですが、国内ツアーに断続的に出場するようになった秋からはぐっと調子を挙げてきています。9月の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」では4位。以降、8戦して優勝2回、ベストテンが7回という驚異の強さを見せています。

それでもまだ本調子ではなさそうなのが、渋野選手のすごいところです。「スタンレーレディース」や「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」では、ド派手なプレーオフ勝利を果たしており、とにかくなにかやってくれそうな雰囲気は、ツアーNO.1でしょう。残り試合でさらに見せ場を作ってくれそうな気配がします。
***
残り3試合、毎年この時期の試合には多くのドラマが起こっています。わずか一打で年間の勝者が決まってしまうような緊張感のある戦い。異例の長丁場となったシーズンを締めくくるのにふさわしい展開を見ることができそうです。

各選手の活躍を支えるエースドライバーをチェック!

稲見選手使用ドライバー                    
古江選手使用ドライバー                    
小祝選手使用ドライバー                        
西村選手使用ドライバー                        
渋野選手使用ドライバー                        

【スポナビGolf】

※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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