ラジオ実況アナ対談で見えた中継の裏側 プロの矜持、伝説実況、選手の素顔…
対談を行ったニッポン放送・煙山アナ(左)と文化放送・山田アナ 【スポーツナビ】
音楽がふいに過去の記憶を蘇らせ、脳内再生させてくれるように、スポーツの名場面や伝説のシーンには「名実況」の存在も欠かせない。仮に伝説のプレーでなくとも、日々の野球中継をストレスなく楽しめるのもまた実況アナウンサーの巧みな描写力があればこそだ。
実況といえばテレビ中継を思い起こす人は多いだろうが、ここにきてがぜん注目を集めているのがラジオ実況の存在。radikoの浸透によって若い世代でもラジオ中継を楽しむ層が増えているという。
そこで、スポーツナビYouTubeチャンネルとラジオ実況の二大老舗がコラボレーション。今年55周年を迎えた「ニッポン放送ショウアップナイター」と、40年目を迎えた「文化放送ライオンズナイター」のそれぞれの人気実況アナウンサーが「スポーツの伝え手」としての矜持をぶつけあった。詳しくはYouTube本編をご覧いただくとして、本稿ではそのエッセンスをお伝えしたい。
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悲喜こもごもの「実況あるある」
野球実況のベテラン煙山光紀アナ 【提供:ニッポン放送】
今季は9回打ち切り制度のため、ある程度は終了時間が読めるとはいえ、プロ野球の試合といえば長い時は4時間、5時間……。その間、実況アナがマイク前から離れることは許されず、トイレに立つこともできない。だからこそ、放送開始前の何分前にトイレに行くのがベストなのか、尿意そのものへの対策をどうすべきかなど、電波には乗ってこない見えざる戦いがあるという。
ベテランの煙山アナは、尿意を我慢しすぎるあまりに起きた「実況アナの職業病」ともいえるある症状について激白。ラジオから聞こえてくる軽やかな実況の裏側で、そんな痛みと戦っていたの!? と驚かされるはず。
一方の若手・山田アナのエピソードも新人らしい初々しさが残るトンデモ案件。昨年のデビュー戦、なんと大人用オムツを履いて実況したというから驚かされる。この件は当時、ネットニュースでも拡散され、一部のラジオファン界隈では話題になった出来事。この件で先輩アナウンサーから受けたお叱りの内容が「実況アナの存在とは?」という職業観も考えさせられるもので興味深いものだった。