【YouTube企画】星野ジャパン同窓会 ―北京の記憶―

藤川球児に聞く、侍ジャパン金メダルの鍵 星野ジャパン同窓会・特別編

ベースボール・タイムズ

星野ジャパンのリリーフ要員として北京五輪で4試合に登板した藤川球児(中央) 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 東京五輪が開幕して日本勢のメダルラッシュに沸く中、野球日本代表「侍ジャパン」の戦いもいよいよスタート。悲願の金メダル獲得の鍵を探るため、2008年の北京五輪に出場した元阪神の藤川球児氏に独占インタビューを敢行。「北京の苦い記憶」と「東京五輪への熱い想い」を抱いた男に、選手の起用法、今大会のキーマン、国際大会ならではの対策などを聞きながら、稲葉ジャパンへのエールに変える。

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自国開催のメリットは…

東京五輪ソフトボールのテレビ中継で福島の球場に訪れた藤川氏が感じた自国開催のメリットとは? 【Getty Images】

 NPB通算782試合に登板して60勝38敗163ホールド243セーブ、防御率2.08。打者の手元で浮き上がる「火の玉ストレート」を武器に、最強のリリーフユニット「JFK」の一角、さらに虎の守護神として幾多のピンチを切り抜けてきた藤川球児。昨年40歳まで現役を続けた不屈の男は、28歳のときに北京の地を踏んだ。

 藤川氏は当時を思い出しながら、自国開催となる今大会について考えると、「僕はソフトボール(の中継)で福島に行きましたけど、放送もリアルタイムですぐ情報が入る。スタンドを見上げれば日本人のスタッフ、メディアがいるという状態で、球場全体が応援している感じも出ている」と理由を述べた上で、「地の利が相当あるし、自国開催のメリットは非常にある」と言い切る。

 無観客になったことで試合中に直接ファンの声援が届くことはないが、世間からの後押しを感じることができる場面は多々あり、「食事も困らないし、(直前まで)ずっとプレーもしていたし、ペナントレースも止まるのでチームのことも気にしなくていい。集中はものすごくしやすい」と指摘する。

「五輪のリリーフ論」と「田中将大の起用法」

五輪でのリリーフ投手選考について懸念を持つ藤川氏は「田中将大(右)のリリーフ起用」を提案した 【写真は共同】

 自国開催のメリットは間違いなくある。その上で、藤川氏は自身の経験も踏まえながら、国際大会のリリーフ投手起用について持論を語る。

 北京五輪での藤川氏は、岩瀬仁紀、上原浩治とともに「トリプルストッパー」に指名され、計4試合(4イニング)に登板して2安打1四球7奪三振で1失点、防御率は2.25という好成績を残した。だが、「(リリーフ投手の)評価が低い」といい、「これまで国際大会でリリーフ投手が潰されてきた。今大会も非常に懸念している」と訴えるのだ。

 大会前には稲葉篤紀監督とも意見交換し合ったという藤川氏。今回の稲葉ジャパンの投手陣について「球種が豊富なリリーフ投手が入っている」と分析する。そして「平良(海馬)投手はカットボールもあるし、チェンジアップもある。タイミングをずらす投球スタイルを持っている」、「青柳(晃洋)投手はおそらく中継ぎになると思うし、非常に大事なところでの登板になると思う。ゲームの展開をガラリと変えることができる。これまで(下手投げで)選ばれてきた牧田(和久)投手、高橋(礼)投手を凌ぐ力がある」とし、「この2枚がリリーフのキーマン」と語る。さらに「抑えには栗林(良吏)投手がいる。2種類の落ちるボールがある。日本人のバッターがクルクル回っている状態というところは、外国人選手も回る(空振りする)だろう」と期待を寄せる。

「懸念は左投手が一人(岩崎優)しかいない」と心配する藤川氏だが、それらすべての解決策として「田中(将大)投手のリリーフ起用」を提案。「初めに先発で1回投げてもらって、キャッチャーが田中投手のボールを受けながら外国人打者の打ち取り方を勉強して、他の投手にも活かしながら、大事な決勝戦、準決勝とかでは、田中投手に大車輪で動いてもらう。それでどうでしょう」と藤川氏。「僕の描いた淡い絵ですけど、ロジック的には間違っていないと思います。田中投手に縦横無尽に動いてもらう」と頷いた。

 藤川氏は「チームを仕切るのは、坂本(勇人)選手と田中投手」と期待し、小学生時代にチームメイトだった2人がチームの最年長になったことで、「ワンチームになりやすい」と、88年組を中心とした“結束”に太鼓判を押した。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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