里崎&成瀬が考察「北京五輪4位の理由」 星野ジャパン同窓会・バッテリー編(1)
里崎智也(左)と成瀬善久(右)。ロッテの名バッテリーは北京五輪でもコンビを組んだ 【写真:アフロスポーツ】
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そうそうたるメンバーの中で先発したカナダ戦
当時、メンバーに選ばれた時のことを成瀬氏は「素直に嬉しかった」と振り返りながらも、直前のオールスターで8失点炎上した後での代表合流で、「よみうりランド(ジャイアンツ球場)で練習した時にけっこう野次られ、ブーイングがやばかった」と記憶する。しかし、本大会では奮闘する。特に2勝2敗で迎えた5戦目のカナダ戦では、先発して7回を2安打10奪三振無失点の快投劇を演じた。
その試合でマスクを被った里崎氏は「捕手以外、全員左でビビった」と笑うと、成瀬氏も「元々、僕は左が得意じゃないし、これだけ左がいるのは憂鬱(ゆううつ)だなと思ったんですけど、逆を言えば左ばっかり並べてくれたので攻め方が楽だった」と笑み。「対応されなかったもんな」、「やっぱりキャッチャーが良かったからですよ」、「まあそうやな(笑)」と掛け合った。
情報が足りない相手と、どう対峙し、どう戦うか
北京五輪のカナダ戦で先発して7回2安打無失点、10奪三振の快投を演じた成瀬善久。本人の記憶にも強く残っている 【写真:アフロスポーツ】
そこで頻繁に行っていたのが、他国対策のミーティングだった。しかし、「よくミーティイングはしたけど、あれで良かった?」と里崎氏は疑問を投げかける。そして「俺がロッテでしていたミーティングとは違った。俺が欲しいような内容は1ミリもなかった。ほぼ全員(攻め方が)インハイ・アウトローだった」と指摘。「最初はノートにそれぞれの選手に9マスを書いてイメージした」という成瀬氏も「印を書いているのがインハイ・アウトローしかないとわかって、ノートを持っていかなくなった」と苦笑いする。それほど、五輪では対戦相手の情報が極端に不足していたのだ。
その状況に「あれならミーティングがない方が良かった。(WBCの時はなかった」と里崎氏。情報がないならば無理に対策を練る必要はない。「仮にミーティングするのならば、タイブレークの際にどういう攻めをしてくるのかという情報が欲しい」と里崎氏。さらに里崎氏は、キューバが当時、「(捕手が高めに構えたら)ベンチからスペイン語で“高め”って言っているらしい」と明かし、国際大会ならでは対策の必要性を訴えた。