八村塁の思い、そして高校生に伝えたい事 「バスケをやれることに感謝している」
異例のWCに挑む選手たちに伝えたいこと
福岡第一が3連覇をかけて今大会に臨むなどのトピックはあるが、その前に、まずはバスケができることに感謝してほしいと八村は語った 【写真は共同】
NBAを目指していた八村は、バスケットの名門ゴンザガ大へ留学したが、当初は英語が分からず、勉強についていくのが精いっぱい。バスケットの練習でも、思うように意思疎通ができずもがき苦しんだ。当時、「こんなに大変だと分かっていたら、来なかったかもしれない」と漏らしたほど。おそらく、それらを言い訳にいくらでも逃げることができたが、彼は後悔をしたくなかった。足を踏ん張って耐えたその先に、彼の今がある。
「(やることは)すごい小さいことでもいい」と八村。
バスケットは、チームスポーツではあるが、一人でできることも少なくない。八村はバスケットを始めた中学時代、苦手だったフリースローの練習をするため、毎朝学校の体育館へ行って練習した。今オフも、他の選手らと一緒に練習をする機会が限られたため、パーソナルトレーナーを雇い、身体能力の向上を図った。また、チームのアシスタントコーチの一人、コーリー・ゲインズとともに、課題の3ポイントシュートだけでなく、ディフェンスの練習にも時間を割いた。
「相手のパーソナルというか、(相手選手の)癖を覚えるのは大事。この選手はどういう風にするのが好き、この選手はこういうのが嫌い、というところを少しずつやった。そういうところが、個人的なディフェンス面では大事になってくる」
「そういうところを意識して、どんどんやってほしい」
無駄になっても構わない。回り道をしないと見えてこないこともある。負けたときに悔いが残らないようにするには、その要因を一つ一つ潰していくしかない。バスケットをできることに感謝をしつつ、限られた中でもできることを見つけ、まずはやってみる。
それが今、大会を前にしたアスリートたちに八村が伝えたいことだ。
このメッセージを高校生たちはどう解釈し、そして自分の行動にどうつなげるか。それもまた、彼は問うている。