新谷仁美は「アスリートの価値」を示した 恐怖に打ち勝ち、世界のトップと戦う
「東京五輪だからこうしようという思いは……」
「東京五輪だからこうしようという思いは一切ない」と、冷静に意気込みを語った 【提供:日本陸上競技連盟】
その新谷は、自国開催の五輪に向けて、アスリートとして、人間として、考え方や行動を高めていきたいと言い「国民の皆様に、私たち(アスリート)の在り方というものを、東京五輪で見たいとどう思わせていくかが大事。そして、東京五輪だけでなく、それ以降、アスリートの輝く瞬間を見たいと思わせることがポイントになっていきますので、そういう部分を上げていけたらと思います」と話した。東京五輪に囚(とら)われ過ぎず、最も重要なポイントを鋭く指摘するコメントだった。東京五輪という大きな接点に頼らず、自身が臨むべきレースで、結果以上のものが伝わるパフォーマンスを見せる、アスリートの価値を示す――その覚悟が、多くの言葉と、脅威的な日本新記録の走りに詰まっていた。