カンに頼らない『ポップアップ(テイクオフ)』でサーフィンアップ!その一

THE SURF NEWS

【photo:RiRyo】

ポップアップ(テイクオフ時の動作)のとき、早く正確にスタンスを決められる3つのポイント
波の上をボードが滑り出し、両手をレールについて立ち上がる。サーフィンの重要なテクニック『ポップアップ』はまるで瞬間芸といえるほどの速さ。その速さはエキスパートサーファーだと0.7秒を切ることもある。さて君は何秒くらいでポップアップできるだろう?

ショートボーダーで1秒ではすでに遅め。つまり、たった0.3秒の違いで運命が分かれてしまうことがあるのが、ポップアップなのだ。コンマ数秒というその差で、パフォーマンスが変わってしまう、いやすべてが台無しになってしまう。0.1秒遅れたばかりにパーリング、もありうるのがサーフィンの現実だ。

しかしこの瞬間芸、カンに頼ってポップアップしているサーファーの多いこと!レールのどこを持ち、ボードのどこにスタンスを決めるのか、そのときになってみなければ分からない人がほとんどなのだ。その日一番の波をゲットしても、スタンスが決まらなければ意味がない。カンだけに頼ったポップアップでは失敗の繰り返しだ。

ポップアップ(テイクオフ時の動作)は3つポイントで確実に上手くなる

いまから3つのポイントに集中するだけで、早くてしかも正確にスタンスが決まるポップアップの方法を教えます。この3点を守れば誰でもポップアップの精度が増し、正しいスタンスが決まりだす。

1.しっかり肘を引く
立つときにレールのどこを持つか?その持つところがいつも同じならば、君のスタンスは必ず決まる。そのためには脇(わき)を締め、肘(ひじ)を後ろへ引いてレールを持つ。そこが正しいポジションだ。(レールは持たずに、デッキに手を置いても良い)

サーフボードを持つ位置は正しいルーティンの基本。急いで立とうとするとボードの前方を持ちスタンスが前になってしまう。 【photo:RiRyo】

2.肘を伸ばす
正しいポジションでレールを持ったら、次にすることは立つ前に腕をまっすぐに伸ばす。腕をしっかり伸ばさないと、身体とボードの間に十分な空間が保たれずに窮屈(きゅうくつ)となり、前足を正しい位置に運ぶことができない。

肘をしっかり伸ばして前膝と足を入れやすくする。陸上でトレーニングして身につけよう 【photo:RiRyo】

3.みぞおちに立つ
ポップアップする前、パドルをしているときに、みぞおち(胃)がボードに触れている位置をイメージで記憶しておき、そこに前足が踏むようにポップアップする。たったそれだけで君のスタンスは百発百中!パドル中のみぞおちの位置は、前足で正しく立つ位置だということをお忘れなく。

パドル時にボードが触れる「みぞおち(赤色足マーク)」は立つ位置としてイメージをつかみやすい。そこに前足を持っていくだけで正しいスタンスとなる 【photo:RiRyo】

まとめ

『肘を引き、肘を伸ばし、みぞおちに立つ』このたった3つのポイントを実行するだけで、君のポップアップはもうプロ並み。もちろん陸上でのトレーニングはマストだ。毎日やって無意識でもできるようにする。本番では考えている時間はないからね。でもコンマ数秒の差で、テイクオフからの次の展開が大きく変わっていくことに君はびっくりするはず。
サーフィンは難しい、だからこそシンプルに考えよう。

文:李リョウ
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