ロッテ70周年記念特別企画

日本一につながる激闘のプレーオフ 初芝清×小林宏之が05年の思い出を語る

木村雄大(ライトハウス)
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10月3日のトークイベントに参加した二人。ロッテが逆転勝利を収めたこともあり、饒舌(じょうぜつ)だった 【写真:保高幸子】

 千葉ロッテマリーンズは、今年で球団設立70周年を迎えた。これを記念して10月2〜4日の埼玉西武戦では、2005年の“誠ユニフォーム”を着用して戦う「70周年チャンピオンシリーズ」を実施。このイベントに合わせて、10月3日に行った当時のVメンバーのインタビューをお送りする。初芝清氏と小林宏之氏の対談の前編では、日本一につながる激闘のプレーオフを振り返ってもらった。

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優勝ムードが一転、大逆転負けで最悪な雰囲気に

――2005年はロッテファンの中でも、福岡ソフトバンクホークスとのプレーオフ第2ステージが一番印象に残っていると思います。連勝で迎えた第3戦は、勝てば優勝という試合で4-0のリードを迎えた9回裏に追いつかれ、10回裏にサヨナラ負けという非常にショッキングなゲームでした。

小林 ホントね、もうマサやん(小林雅英)が……(笑)。

初芝 あそこで打たれて追いつかれるなんて、誰も思っていないよね。

小林 4点リードの9回裏なんて、ブルペンのピッチャーもベンチに来ていましたよ。まだ試合中なのに、みんなニコニコ笑っていて。初めて優勝できるかもしれないっていう場面だから、舞い上がるのは当たり前なんですけど。

初芝 (ビールかけ用の)ゴーグル買ったっけ? なんて話もベンチ裏でしてたな(笑)。

――逆転負けを喫した翌日、小林さんは第4戦の先発として投げることになりました。

小林 正直、ホント嫌でしたね……。あの逆転負けの翌日ですよ。チームの雰囲気はもう最悪。サブローさんに「明日は宏之で決めるしかないぞ」って言われて、なんとか気持ちを切り替えていこうとは思っていたんですけど。

――そう簡単なものではなかったと。

小林 球場に着いてからも、やっぱりシーンとしているわけですよ。普段の練習中なんて、みんな元気よくワーってやっていたのに、もう落ち込んでいるような空気で。

奇跡の口火を切った打席。考えていたのは守備のこと?

現役時代の初芝氏は、勝負強く、長打を誇っていた 【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

――そういう中で、小林さんは3失点完投。しかし、打線が和田毅選手を攻略できずに2-3で敗戦。そして、伝説となった第5戦。1点ビハインドの8回表、流れを作ったのは初芝さんでした。

初芝 実は僕、あの試合全体の記憶がほとんどないんですよ(笑)。
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