ラ・リーガの粋な計らいで開幕 久保、岡崎、乾の“デルビー・ハポネス”

工藤拓

開幕戦は久保vs.岡崎、第2節は久保vs.乾

ラ・リーガ国際部門・日本担当のギジェルモ・ペレス・カステージョ氏 【スポーツナビ】

――日本はもちろん、アジアレベルにおいて久保建英が持つ影響力はどのようなものですか?

 どの市場でも言えることですが、地元出身選手は我々とその国の距離を縮めてくれる存在です。クボほどハイレベルな、それもレアル・マドリーのような人気クラブが保有権を持っている選手であれば、母国のファンが彼の一挙手一投足に注目し、その動向に一喜一憂するのもうなずけます。その意味でクボは、おっしゃる通り日本のみならずアジア規模で注目されていますね。

 バレンシアのイ・ガンイン(韓国代表)も同じような存在だと言えるかもしれません。私はバレンシアファンなのですが、彼については地元ファンの注目度も大きいですよ。今季はより重要な存在となることを、みんなが期待していますから。

 日本人について言えば、クボだけではないですよね。先ほども話したシンジ・オカザキに加え、エイバルのタカシ・イヌイ(乾貴士)もいますし、ガク・シバサキ(柴崎岳)はレガネスに移籍しました。2部ではシンジ・カガワ(香川真司)が残留すれば、日本人対決が注目を集めることになるでしょう。現時点ではクボに興味が集中していますが、重要なのは何人も日本人がプレーしていること。彼らが対戦するたび、日本では大きな注目を集めることになりますからね。

――先日、最終回となったラ・リーガセミナー「#TodayWePlay」を終えての感想は? 期待していた結果は得られたのでしょうか?

 そうですね。我々はとても満足しています。今回が3回目の開催で、過去2回とはまた異なる、現状に適応した内容となりました。まだ終わった直後なので、これから関係者とどうだったかを振り返る必要はありますが、ラ・リーガとしては満足しています。参加してくれたクラブに感謝していますし、最後はセレッソ大阪のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督を講演に招く幸運を得ることもできました。参加してくれた視聴者の皆さんが楽しんでくれたことを願っています。

――日本向けに今後予定しているイベント、計画はあるのでしょうか?

 それは常にありますよ。毎年シーズンの開幕前にはラ・リーガの視聴者を抱える国々におけるプロモーション計画を立てています。もちろん、日本もそのひとつです。我々にとって重要な国ですからね。現時点では日本に行くことができないため、現地で何かを行うことは難しい。現状に適応していく必要があります。

 それでもデジタル分野での企画は進めており、例えば開幕戦のビジャレアルvs.ウエスカではDAZNやWOWOWと協力し、日本のファンにクボかオカザキのユニホームをプレゼントする予定です。第2節も同様に、ビジャレアルvs.エイバルの日本人対決があるので、クボかイヌイのユニホームをプレゼントできるかもしれません。いずれにせよ、今は現状を把握しながら少しずつ物事を進めていく必要があります。

――最後に、ラ・リーガ開幕を心待ちにしている日本のファンにメッセージをお願いします。

 我々は今季のラ・リーガが魅力的なシーズンになると確信しています。1部に3人の素晴らしい日本人選手がいることはとても重要な要素です。しかも今季は2つの“デルビー・ハポネス”(日本人ダービー)と共にシーズンが始まる。興奮することは間違いない新シーズンをぜひとも楽しんでください。

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著者プロフィール

東京生まれの神奈川育ち。桐光学園高‐早稲田大学文学部卒。幼稚園のクラブでボールを蹴りはじめ、大学時代よりフットボールライターを志す。2006年よりバルセロナ在住。現在はサッカーを中心に欧州のスポーツ取材に奔走しつつ、執筆、翻訳活動を続けている。生涯現役を目標にプレーも継続。自身が立ち上げたバルセロナのフットサルチームは活動10周年を迎えた。

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