【サーフィン】「レールが入ってないって」どういうことだ?(4) シリーズ「おいらはサーファーの味方」
【自然にレールが入るのはどのサーファーのスタンスか? photo by Ri Ryo 】
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加速ができてもターンができないとしたら、その原因はスタンスです。サーフボードの立つ位置が間違っています。加速+正しいスタンスならば、まるで体の一部になったようにサーフボードをコントロールできます。もちろんレールも波のフェイスに必要なだけ自然に入ります。入れようとしなくてもいい、スタンスさえ間違っていなければサーフボードは自然にレールが入るように作ってあるんです。
さて、バイクやスノーボードにはサーフィンと共通点がいろいろありますね。でも大きく異なるところがサーフィンには一つあるんです。それは、サーフィンはスタンス(乗る位置)が決まっていないということです。
シートもステップもバインディングもサーフィンには在りません。裸足でボードに立つだけ。サーフボードのどこに立っても波には乗れますが、ところが正しいスタンスでなければ、サーフボードをコントロールすることができない難しさが、サーフィンにはあるんです。
間違ったスタンスのままでターンしたくても自然にレールが入らずに真っ直ぐ滑ってしまうか、無理矢理ターンをすると力に頼ったサーフィンになってしまいます。そんな力んだサーフィンをしている人があなたの周りにもいませんか?かっこ悪いですね。
スタンスが正しければサーフボードは思いのままにコントロールできる。
ロングでターンができない人の原因は、ボードの中心かそれよりも前方にスタンスを取っている人がほとんどです。そこに立っても波にも乗れるし加速もします。でもターンをしようと思うと自然にレールが入らず、ボードが意に反して真っ直ぐ進んでしまいます。
自然にレールが入ってターンができるのは、サーフボードの中心よりも後ろにスタンスを取っている場合です。スタンスはテールに近づけば近づくほどターンはスムースにかつクイックになっていきます。
ところがロングボーダーでターンのできない人はサーフボードの中心よりも前方に立ってしまうんです。それはなぜか?二つ理由があります。
その一つは、じつはテイクオフが上達したからなのです。
早いテイクオフを目指していくとプローン(腹ばい)の位置がノーズ寄りになります。ノーズに寄ってパドルをすると重心が前のめりになってテイクオフが早くなります。テイクオフが早くなるとサーフィンがたいへん面白くなってきますが、プローンの位置が前になるから、立ったときのスタンスも前方になってしまう弊害(へいがい)が起こります。
ところがサーファーは本人のイメージよりも前方に立っていることに気づいていないことが多いんです。
二つ目の理由はノーズライディングを強く意識しすぎているからです。
ノーズを目指そうという気持ちが強すぎると、サーフボードの前方ばかりに意識が向いてしまうんです。ノーズライディングはロングボードの華でもあり、鮮やかにステップして決まればかっこ良いのですが、それにはできればバックステップで後ろに下がってサーフボードの後方に立ち、サーフボードをトリム(微調整)しなければなりません。
トリムして波のフェイスの正しいところにサーフボードをセットして、そこから前に歩いてノーズを目指す。この基本動作を習得しなければならないのに、ロングボードに立つとノーズが気になって、無意識のうちにサーフボードの前寄りに立ってしまいます。その位置でターンしようと思っても自然にレールは入りません。
3人のサーファーのうち、奥の二人のサーファーはサーフボードの中心のあたりにスタンスを取っているために加速はできてもターンが思うようにできていない。一番手前のサーファーだけが正しいスタンスでターンをしようとしている。テールに無理に体重を掛けなくてもノーズが浮き自然にターンが始まっている。 【 】
正しいスタンスを確認する方法がある。
波に乗ってサーフボードが加速するまえに、後ろ足に体重をかけてロングボードのノーズが浮くかどうか試してみましょう。後足に体重をかけてノーズが浮けば合格。ノーズが浮かなければスタンスが前過ぎです。ノーズがスーッと上昇すれば、あとは自分が行きたい方向に顔を向けるだけで、自然にレールが入ってサーフボードは勝手にターンを始めますよ。
サーフボードに立ってノーズを浮かせることができるか否か、それだけでスタンスの確認ができます。プローンでパドルするときの位置ももう一度確認しましょう。
つぎの5はショートボードのスタンスです。
執筆:李リョウ
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