【日本野球連盟公式サポ通信】黒獅子旗のゆくえ(河合楽器編)

チーム・協会

【【提供:田原知典さん】】

日本野球連盟公式サポーターの田中優美です。
社会人野球のちょっと裏側をお伝えする「日本野球連盟公式サポーター通信」第15回目。
今回は、優勝チームの証である黒獅子旗のその後を、当時のエピソード共に振り返る人気企画「黒獅子旗のゆくえ」です。

幻のエンブレム

【2001年黒獅子旗レプリカと一緒に写る田原さん】

2001年の都市対抗で初優勝をあげ、同年の11月に惜しまれつつ休部となった河合楽器。

黒獅子旗レプリカやトロフィーと共に写るのは、優勝当時、河合楽器の野手コーチ兼マネージャーを務めていた田原知典さん。
「1回戦の朝日生命戦での広畑選手のサヨナラホームランのシーンがとても印象的でした。三塁から見ていて、まっすぐにスタンドまで飛んでいったのが、今でも記憶に残っています。」と、当時を思い出します。

この年から始まった優勝チームのユニフォームに付けられる黒獅子エンブレムは、翌年の都市対抗に付けていくことはできませんでしたが、休部前の秋まで着ていたユニフォームの左袖にしっかりエンブレムが光っています。

【ユニフォームの左袖に光るエンブレム】

2001年当時、補強選手は静岡の中でしか選ぶことができませんでした。
第二代表であった河合楽器が狙いをつけていた選手の多くは、第一代表のヤマハの補強選手となってしまったそうで、スタメンに補強の選手が入ることは無く、単独チームのような戦力で戦っていたそうです。
都市対抗の醍醐味ともいえる補強に頼らず優勝できたのは「若手中心のチームで、都市対抗の怖さを知らない分、みんなノビノビとやっていたことが良い方向にいったと思います。」と話し、新人の活躍を沢山教えていただきました。
1回戦は広畑喜代吏選手のサヨナラホームラン。
2回戦では久本祐一選手が先発投手を任されました。久本選手はこの時が社会人として公式戦初先発でしたが、ストライクもしっかり入っていて緊張した様子が見えなかったそうです。肝の据わった投球で若獅子賞も獲得しました。
準決勝では山井大介投手(現中日ドラゴンズ)が先発し、0-1と緊迫した試合を勝利に導きました。山井投手に関しては「大学時代に全日本にも入っており、大きい試合には慣れていました。準決勝の試合は、一番緊迫した試合でしたが、山井投手は堂々としていましたよ。」と田原さんは言います。
このように新人選手の目覚ましい活躍に加え、中軸選手も安定感がでてきてチームは勢いに乗っていたそうです。

優勝後すぐの突然の休部、、、

勢いに乗った中での突然の休部。「やはりショックでしたね。あと5年続けていられたら、そこそこの成績が残せていたと思う。あそこからもっと強くなれたチーム。今でも当時のメンバーと集まり“2001年の河合楽器のチームが一番良かったね”とみんなで話しています。」と勢いに乗ったチームの休部を惜しみました。

それでも休部翌年には河合楽器の選手が中心となったクラブチーム、「浜松ケイ・スポーツBC」が発足。
田原さんはチーム発足2年目から選手としてチームに入り、50歳を過ぎた今も現役を引退せずにプレーしながら、若い選手の指導もしているといいます。
今では全日本クラブ選手権に8回も出場する強豪クラブチームとなりました。

今年のクラブ選手権はコロナの影響で残念ながら中止となってしまいましたが、
来年以降のクラブ選手権でも田原選手の野球姿が見れることを期待しています!

(今回の取材は全て電話にて行いました。)
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著者プロフィール

1949年に設立した社会人野球を統轄する(公財)日本野球連盟の公式アカウントです。全国の企業、クラブチームが所属し、中学硬式や女子野球の団体も加盟しています。1993年から刊行している社会人野球オフィシャル・ガイド『グランドスラム』の編集部と連携し、都市対抗野球大会をはじめ、社会人野球の魅力や様々な情報を、毎週金曜日に更新する『週刊グランドスラム』などでお届けします。

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