- 松倉雄太
- 2020年8月9日(日) 10:35
続いては野手の逸材6人を紹介。今年は下級生の頃から甲子園で活躍を見せてきた選手が多く、最後の晴れ舞台でどんなプレーを見せるのか目が離せない。
智弁学園・大橋誠斗(3年)
オール3年生で臨んだ奈良県独自大会では4番に座り、初戦から3試合連続本塁打を放った。魅力は「1日1本打ちたい」と語る豪快な本塁打が打てる点で、小坂将商監督も、「あの子良いでしょう」と絶賛している。交流試合は2年生で4番を務め、同じポジションを守る前川右京が戻ってくるため、どの場面での起用になるかは分からないが、テレビやラジオ、インターネットで観戦する高校野球ファンを驚かせる一発を放つつもりだ。
※智弁学園は12日の第1試合で中京大中京と対戦
星稜・内山壮真(3年)

1年春から2年秋の神宮大会まで全ての公式戦に出場し、4割を超える打率をマークした。夏の石川県独自大会では初戦でレフト場外へ本塁打。アベレージと長打の両方を期待される、センスあふれる選手だ。捕手としても二塁送球は1.8秒台で、2年夏までは遊撃のポジションを華麗にこなしたフットワークも魅力。高校最後の試合となる交流試合では、昨夏の甲子園決勝で敗れた履正社相手にリベンジし、プロを目指す。
※星稜は15日の第1試合で履正社と対戦
花咲徳栄・井上朋也(3年)

8月3日に高校通算50号本塁打を放った、世代屈指のスラッガー。1年夏から甲子園を経験し、最後の夏は開会式で大分商の川瀬と共に選手宣誓の大役を任された。ドラフト候補の宣誓での豪華な共演、そして試合での直接対決が楽しみだ。
※花咲徳栄は10日の第1試合で大分商と対戦
大阪桐蔭・西野力矢(3年)

秋季大会は打率.476、3本塁打、18打点と自慢の打棒が爆発。ニックネームの「ゴンちゃん」はテレビ番組のぬいぐるみキャラクターが由来になっている。7月上旬の練習試合後には、チームメートの仲三河優太(3年)と共にプロ志望を表明した。東海大相模との交流試合が、西野にとっては甲子園での最初で最後の試合となる。愛されキャラクターの「ゴンちゃん」が見せる、パワフルな打撃に注目だ。
※大阪桐蔭は17日の第1試合で東海大相模と対戦
智弁和歌山・綾原創太(3年)

和歌山県の独自大会決勝では貴重な3ランを放ち、優勝に貢献した。昨秋の近畿大会準々決勝の智弁学園戦では、二塁守備の際にイレギュラーした打球が右目付近に直撃し、眼窩底骨折の重傷を負った。手術をして12月に復帰し、プレーには支障がないほどまで回復したが、瞳孔が開いてしまい、光の調節がしづらいだろうからと3年生が買ってくれたサングラスを、今も使ってプレーしている。「みんなが買ってくれたサングラス。大事に使いたい」と仲間への感謝の気持ちを持ち、高校最後の試合に臨む。
※智弁和歌山は17日の第2試合で尽誠学園と対戦
明石商・来田涼斗(3年)

エース・中森と共に1年夏から甲子園に出場している、世代屈指の強打者。兵庫県の独自大会では3回戦で2ランを放つなど打撃好調で、最終学年に入ってからはさらに長打力に磨きがかかった印象だ。昨春のセンバツでは史上初の先頭打者&サヨナラ弾を放つなど、大舞台での勝負強さも実証済み。慣れ親しんだ甲子園で行う高校最後の試合でも、必ず魅せてくれるだろう。
※明石商は16日の第1試合で桐生第一と対戦
新型コロナウイルスの影響で夏の甲子園を目指す機会を奪われた、13万8054人の高校球児(令和2年度硬式部員数)たち。その代表として、招待されたセンバツ出場32校の球児には、今年1年の思いもこめた懸命なプレーを期待したい。