【サーフィン】「レールが入ってないって」どういうことだ?(2) シリーズ「おいらはサーファーの味方」

THE SURF NEWS

【photo reference: World surf league】

うまくなるほど面白いサーフィンだから、もっと面白くなっちゃおう。/How to surf better by Ri Ryo
「そうか俺のサーフィンはレールが入ってないんだ」そう思ってサーフボードの上に立ってレールを入れようとしても上手く行きません。たぶんワイプアウトです。「俺ってダメなの?サーフィン向いてないのかな?」なんて悩むかもしれないですね。だってレールの入れ方がわかんないんだから。でもね、前回「レールが入ってない」ってどういうことだ?1でも言ったようにレールを入れるなんて考えなくていいんです。

じゃあなんで「レールが入ってない」って言われるのか?

じつはそれってレールが入ってないからなんです。
「えっ?」
混乱してきた?ごめん、先輩のその指摘は間違っていません。でも「もっとレールを入れろ」とアドバイスしたらそれは間違いです。なんで?簡単にサーフィンができちゃった先輩にはそう説明するしか術がないからです。でももしコーチにそう言われたらそのコーチからは教えてもらうのは止めてもいいかもしれませんね。コーチとしては失格かな。だから「レールが入ってない」と言われたらその指摘はたぶん間違っていない。でもそう言われてもレールを入れようとしてはいけません。なぜならばレールは入れようとしなくても自然に入っていくんです。

「よーしニュートンの法則にしたがって反作用を活用するためにベクトル方向へレールを入れて」とサーファーは考えない 【photo reference : Wold surf reague】

「レールは入れようとしなくても良い」「レールはターンをすれば自然に入っていくもの」

じゃあどうすれば自然にレールが入るのかご説明しましょう。
その答えは『スピード』です。
スピードがつけば(もしくは加速すれば)レールは自然に入るんです。だからレールが入っていない=スピードがついていない(加速できていない)と解釈しましょう。

レールが入っていない=スピードがない

あなたの頭を整理するために、バイクを例にとりましょう。バイクを走らせてコーナーリングをしようと思ったらカーブの内側に向かってバイクが傾きますよね。これがサーフィンでいうレールが入っている状態です。ハンドルをきってコーナーリングをしようとライダーは考えてはいません。もしそこでハンドルをきったら大転倒します。つまりハンドルを切ろう(レールを入れよう)とはしていない。ライダーはイメージしたラインでカーブすることだけに集中しています。その結果バイクが傾くのです。サーフィンでいうこれが、『レールが入ってターンしている状態』です。

【photo reference : WSL world surf league, スーパーバイクレーシングターン photo edit : Ri Ryo】

冒頭で私が「40年以上サーフィンをしてきてレールを入れようと思ったことが一度もない」とコメントした理由がこれなんです。例えばテイクオフしてボトムへそしてトップへそして再びボトムへとアップアンドダウンを繰り返したとします。そのとき私が集中しているのは、波のフェイス上にラインをイメージしてブレイクのリズムに合わせてサーフボードを走らせようとすることだけです。その間に「レールを入れるぞ」とか「レールを抜くぞ」なんて一度も思いません。それでもターンのたびに自然にレールは波のフェイスに入っていきます。振り子のような左右への重心移動とも表現できます。バイクと同じですね。そのとき必要なのはスピードです。ですからまずはスピードありきです。もしあなたがサーフィンをしていて「レールが入っていない」とアドバイスされたらスピードが足りないんだと理解しましょう。そしてどうやればスピードのあるサーフィンができるかというテーマに向かって努力しましょう。繰り返しますが「なぜレールが入らないのか」と悩むのは百害あって一利なしと思ってください。スピードのあるサーフィンさえできれば、レールは意識しなくても波のフェイスに自然に入っていきます。

執筆:李リョウ
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