キャスコ『ドルフィンウエッジ』でアプローチ攻略 坂本龍楠が試打&検証
【GEW - 月刊ゴルフ用品界】
『DW-120G』、『DW-118』、『DRW-119/DFW-119』の3モデルを、YouTubeで人気の元祖YouTuberプロこと坂本龍楠が試打。その性能を解説する。
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累計販売数26万本以上の『ドルフィンウエッジ』とは?
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初代の『DW-113』発売以降も、常にゴルファーの声を反映させながら進化し続け、今年4月の段階で累計販売数は26万本を突破。やさしいウエッジの代名詞にもなっている。
ソールヒール部分の形状が特徴的で、バンカーでのエクスプロージョンショット時にヘッドが砂に潜りすぎることを防ぎ、ヘッドの抜けの良さをサポートする。イルカのフィンのような形をしていることから『ドルフィンウエッジ』と名付けられたことは有名だ。
最初はバンカー専用ウエッジとして浸透したが、そのやさしさが口コミで広がり、様々なアプローチに対応できるウエッジとして今では複数本をバッグに入れているゴルファーも多い。
2種類の『ドルフィンウエッジ』 『DW-120G』と『DW-118』の違いとは?
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早速『DW-120G』と『DW-118』の2モデルを坂本龍楠プロに打ち比べてもらい、その違いを解説してもらった。
左:DW-118 右:DW-120G 【GEW - 月刊ゴルフ用品界】
『DW-118』はストレートネックなので、歯が入れやすくスピンが効きます。球もフワッと上がります。
『DW-120G』はグースネックですので、つかまりやすく球を前に押してくれます。『DW-118』に比べて低めの弾道でグリーンを攻められるのではないでしょうか。
選び方のポイントとしては、普段使っているクラブのフェース面の傷のつき方を見てみてください。傷が斜めに入っている人は『DW-118』、傷が真っすぐ入っている人は『DW-120G』を選ぶとマッチしやすいと思います。
『ドルフィンウエッジ』は女性ゴルファーの味方
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コトブキゴルフ ワールド館 石井美由紀さん
「女性はバンカーでザックリやってしまう方が多いため、とにかくバンカーから出やすいウエッジを探している方が多いですね。
女性のアイアンセットにはサンドウエッジが組み込まれてしまっていますが、ヘッドが軽く作られていることが多く、それもバンカーショットがうまくいかない原因だと思います。
そんな方に『ドルフィンウエッジ』を試打してもらうと、構えやすく楽に打てるという反応をいただけます。ヘッドは男女共通なのでヘッドの重さを活かしてバンカーショットが打てますし、シャフトも軽量スチールからカーボンまで女性に合わせて選べるようになっています。
ストロングロフト化するアイアンに合わせて『DW-120G』は44度から選べるので、一人で2〜3本買う方もいます」
それでは、『ドルフィンウエッジ』は実際に女性ゴルファーにどう映るのか? それを検証するために女性アマチュアゴルファーの竹前貴子さんに『ドルフィンウエッジ』を使ってバンカーショットに挑戦してもらった。
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竹前貴子さん
「ノンストレスで、普段使っているサンドウエッジと比べて楽に出すことができました」
坂本龍楠プロ:女性は男性に比べて非力ということもあり、どうしても砂の抵抗に負けてしまいますので、ボールに向かってヘッドを刺しにいってザックリということになってしまいます。
とは言え脱出しなくてはいけませんので、無意識で球を上げようする動作が出てしまい体が起き上がってトップしてホームランというケースが一般的です。その点『ドルフィンウエッジ』のソール機能はバンカーで砂に潜りすぎてしまうことを防いでくれますので、抜けが良くなり竹前さんもしっかり体を回して振り抜くことができていました。
バンカーショットではフェースを開かなくてはいけないと言われますが、実際に開き方が分からない女性ゴルファーは多いと思います。『ドルフィンウエッジ』はソールヒール部分のフィンの効果で、普通にアドレスしてもフェースを開いているのと同じ状態になりますので、無理に開こうと考えずに構えられる点も特長だと思います。
難易度の高いライに有効な「クアッドソール」
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シチュエーションは、グリーンまで20ヤードのラフ、若干のつま先上がり、エッジまでの距離が短いという状況。ラフに引っかかってミスするケースも起こりうるが、無事グリーンをとらえることができた。
坂本龍楠プロ:ゴルフは手首の角度を崩さずにスイングすることが重要なのですが、アマチュアゴルファーの皆さんはどうしても球を上げたいという気持ちが働き、すくってしまう動作が出て、このような状況のアプローチをミスしてしまいます。
ですが『ドルフィンウエッジ』には「クアッドソール」というお助け機能が搭載されています。「クアッドソール」とはソールヒールのフィンと、ソールセンターの山形ソールを組み合わせたものです。ソールセンターを山形にすることによって、歯がボールに入りやすくザックリを防ぎながら、芝に突っかかることなくその先は抜けてくれるという効果が得られます。
大矢さんもすくう動作が入っていましたが、ソールの効果で抜けが良くなり自然に球が浮いてくれました。グリーンエッジに球が落ちたのでランはあまり出ませんでしたが、まず1打でグリーンオンさせることが重要なので成功と言えるでしょう。
『DRW-119』・『DFW-119』は20ヤード以内の武器になる
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『DRW-119』はロフト角が39度となっており、その名の通り転がしてグリーンを狙えるウエッジだ。一方、『DFW-119』はロフト角が55度となっており、球を上げてグリーンを狙えるウエッジとなっている。
いわゆるチッパーのような役割のクラブだが、性能はチッパーのそれと違う。チッパーというとどうしても「カッコ悪い」、「初心者っぽい」などの抵抗感を感じるが、まず見た目が通常のウエッジに見える。ソールも「ドルフィンウェーブソール」という専用設計を施しており、細部にもぬかりはなさそうだ。
こちらもアマチュアゴルファー代表でGEW大矢が試打。グリーンエッジ付近から『DRW-119』、グリーン周りの砲台気味のラフから『DFW-119』をそれぞれ使って10ヤードのアプローチに挑戦したところ、両方ともグリーンオン。短い距離ながら弾道の違いも出た。
坂本龍楠プロ:15ヤード前後の短いアプローチは距離感がつかみにくく、思わぬミスが出てしまいます。
『DRW-119』と『DFW-119』はヘッドも重く設計されているので、通常のチッパーでは難しいラフであっても、慣性モーメントで芝を押しのけてくれます。また、グリップも太めに作られているので、パターのようなストロークで打てるので、手首を使って球をすくってしまうことによる、ザックリやトップなどの大ミスを防ぐこともできます。
せっかく近くまで来てもこの距離でグリーンを行ったり来たりしてはスコアになりません。『DRW-119』と『DFW-119』は思わぬミスを防ぎ、アマチュアゴルファーの方がまず70点の場所まで確実に寄せられるクラブですので、あまり使わないクラブを抜いて代わりに入れてみると一つの武器になると思います。
動画で解説 『ドルフィンウエッジ』を試打&評価
『ドルフィンウエッジ』の総評
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また女性ゴルファーのスイング特徴を研究して作られていますし、シャフトも色々選べますので、アプローチに悩みがある女性には試してもらいたいウエッジです。
番手も多く、それぞれのモデルに特徴がありますので、単品で選んでいく楽しさも感じられるウエッジだと思いますね。
【坂本龍楠プロ】
1981年生まれ。神奈川県出身。オーストラリアへ留学してゴルフを学び、2011年「日本プロゴルフ協会」ティーチングプロ合格。自身が運営する新宿御苑ゴルフスタジオでは身体に負荷のかからないスイング理論が好評を博し、公式YouTubeのチャンネル登録数は9万5000人を超える。著書には「逆説のゴルフ」などがある。
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