困難な状況で求められるフラストレーション耐性とは?臨床心理士が解説

ヨガジャーナルオンライン

【Getty Images】

「仕事でミスをしてしまった」「思いがけず仕事がなくなった」「実は騙されていた!」など予想もしなかった出来事が起きた時は、誰でも動揺しますよね。しかし、大変なことが起きた中でも、冷静に対処できる人とそれが難しい人がいるのも事実。一体その違いは何なのでしょうか。

ピンチを切り抜ける、フラストレーション耐性とは?

ドイツの心理学者S.ローゼンツアイクが提唱した概念で、【フラストレーション耐性】という考え方があります。これは大変なことがあっても動揺せず、冷静に対処できる能力のこと。つまり、フラストレーション耐性が高い人ほど緊急の事態や予想外の出来事に落ち着いて対応することができるのです。

フラストレーション耐性が高い人の特徴は?

我慢強い
困難な事に直面すると、私たちはフラストレーション(欲求不満)を感じ、緊張感が起きます。『この緊張感を早くないものにしたい!』という思いから、攻撃的になったり、逃げようとしたりと何らかの行動を取りがち。しかし、フラストレーション耐性が高い人はこの緊張感を耐える強さを持っているため、グッと堪えて事態が好転するのを待つことができます。
切り替えが早い
フラストレーション耐性の高い人は、物事に固執せず、難しい時はスパッとあきらめるという切り替えの早さを持っています。目の前で悩むよりも、『難しい状況が良い方向に行くためにはどうしようか』と代替案を考えられるのです。
気分転換が上手
いくら我慢強くてもフラストレーションを感じるのは確か。そんな時に気分転換の方法を知っているのもフラストレーション耐性が高い人の特徴と言えるでしょう。困難なことから一度離れ、自分の心を満たす時間を作ることも大切ですね。

フラストレーション耐性を高めるには

ありのままの感情を受け入れる練習をしよう
日常を過ごしていれば、不安やイライラ、焦りなどを感じ、物事を冷静に考えられなくなることもあるでしょう。そんな時は、そうした感情を評価せずに『今わたしはこう感じているんだな』とそのまま受け入れてみましょう。そうすると感情が落ち着き、冷静に物事を考えやすくなります。逆に『こんな風に感じてはいけない!』と感情を否定するとフラストレーションはどんどん溜まってしまいます。また、誰かに話をしたい時は、一度感情を自分の中で受け入れて冷静になってから話すようにすると、相手の意見を冷静に受け入れ、今までになかったアイデアやヒントを感じることができるかも。
感情が高ぶった時こそ呼吸法を
イライラや不安などで感情が高ぶった時こそ呼吸法をしましょう。このような時は呼吸が浅くなり、それがさらに緊張感を生み出すと言うスパイラルになりがち。まずはしっかりと息を吐き出すこと。そうすればその後は大きく息を吸うことができ、徐々に呼吸が深まっていきます。普段なかなか呼吸を意識して生活することはないと思いますが、まずは呼吸法を練習して、自分の呼吸を意識することから始めてみましょう。
フラストレーションに耐える力を高めていくためのポイントをまとめると、マイナスな感情を受容してから思考の幅を広げていくという内側のアプローチと、呼吸法を行いリラクゼーションを体験する外側のアプローチをバランスよく行うことです。これから先も予期せぬ出来事や困難な状況と直面する機会があるかもしれません。そんな時に焦らず冷静に対応していくスキルを身につけておきたいものですね。
ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。
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著者プロフィール

世界のヨガ情報を発信するニュースメディア。ボディメイクに役立つポーズや不調を解消するメソッドのほか、ファッション、ヘルシーフード、ヨガを愛する著名人へのインタビューなど、ビューティ&ヘルス系の最旬トピックスを配信します。

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