Bリーグ中止決定までの舞台裏 再びバスケを見るために今こそ結束を
「選手やコーチ、クラブ関係者の心身の健康を最優先した」
大河正明チェアマンはシーズン中止の理由をそう述べていた。B1、B2のリーグ戦は成立し、各地区の順位も確定した扱いになる。ただし「優勝チーム」は決しないまま19-20シーズンが終了する。
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選手会とのミーティングも実施。会長の田口成浩(写真左)、前会長の竹内譲次(中央)、副会長の田渡凌(右)はマスクを着けて参加、その他ビデオ会議で参加した選手もおり意見を交換した 【スポーツナビ】
チェアマンはこう述べている。
「残留プレーオフなしに降格チームを作ることはできない。一方で昇格を目指して投資し、47試合を戦ったB2クラブを全く昇格させないわけにもいかない。B1ライセンスの保有を前提に、B2の上位2チームをB1に昇格させる。20-21シーズンはB1が20チーム、B2が16チームになる」
B1とB2はともに東、中、西の3地区制で行われているが、地区の再編成とポストシーズンの再設計は4月以降に議論される。また21-22シーズンのB1を18チームに戻すか、20もしくはそれ以上で開催するのかといった議論も、これから進められる。
大河チェアマンは先日の取材で、感染拡大をリスクとして認識したのは1月末だったと明かしていた。1月29日には中国・武漢からチャーター機により邦人が帰国し、2月3日にはクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の横浜寄港があった。
帰国を希望する外国籍選手も
しかし選手やレフェリーの発熱により3月14日、15日と1試合ずつが中止となった。選手やコーチから不安を訴えるコメントも相次いだ。Bリーグはこれを受けて16日に日本バスケットボール選手会とのミーティングを組み、17日にもBリーグの実行委員会を開催。両者の意向をくみ、3月20日から4月1日まで計95試合を中止とした。
影響が大きかったのは、無観客試合の直前となる11日(日本時間12日)に発表されたNBAの中断だ。外国籍選手を中心に、試合開催への抵抗が強まっていった。
3月19日(日本時間20日)にはアメリカ国務省が、海外旅行中のアメリカ人に対する帰国要請を行った。日本国内では当初「海外に滞在するアメリカ人」と報道され、リーグサイドに動揺が走った。
Bリーグは外国籍選手が2名までコートに立てるルールで開催している。どのクラブも彼らがチームの中心を担っていて、プロ野球やJリーグに比べて依存度が高い。外国籍選手がコートから去れば競技レベルは落ち、積み上げてきたチームの連携も崩れる。
20日の段階で、B1・B2合わせて8名の外国籍選手が既に契約を解除。11名がリーグ戦再開後の復帰を前提に帰国していた。おおよそ8割の外国籍選手は日本に残留していたが、帰国を希望する声はリーグにも多く届いていた。