武井壮、プロ並みのボールさばきに驚く! 一本足でつなぐアンプティサッカー
日本障害者サッカー連盟会長・北澤豪さんや現役選手とともにアンプティサッカーを体験した武井さん(前列右から2人目) 【写真:荒木美晴】
スポーツナビは、陸上・十種競技の元日本チャンピオンでタレントの武井壮さんがアンプティサッカーに挑戦するNHKの取材現場に同行。特別ゲストとして参加した日本障害者サッカー連盟会長・北澤豪さんとともに体験した武井さんに、競技の魅力や奥深さを聞いた。
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クラッチの使い方がポイント!
手でクラッチを支えているので腕に負担がかかる印象ですが、全身をくまなく使わないといけないハードな運動の連続です。最初は難しかったですが、クラッチの位置にあわせて身体の軸をずらしたり、胴体をスイングさせて移動するという原理が分かれば、片脚で自由に動く選手達の機動力に少し近付けた気がします!
クラッチについ頼りがちになりますが、やってみてわかったのは、あくまでクラッチは使える脚の推進力をサポートする役割なんですね。クラッチに体重を預けすぎてもスピードが出ない。しっかり加速するには、やはり自分の脚でしっかり地面を蹴ることが大事なのであって、その推進力を二歩目に繋ぐためにクラッチでサポートするという感じです。自分の脚とクラッチが「7:3」くらいの感覚がしっくりきました。
それができた上で、パスやドリブル、シュートといったサッカーの高い技術が求められる。選手は相手とプレーで対峙(たいじ)するときに、どこにクラッチを置いて、どのくらいの幅で迎えて方向転換するとか、瞬時に対応しています。マッチアップするような場面でこそ、クラッチを使う技術がより必要になると感じました。
サッカーセンスやプレーの精度がプロ選手並み!
クラッチを使いながらボールを蹴る武井さん 【写真:荒木美晴】
そして選手の皆さんは、パスもドリブルも含め、プレーの精度がプロのサッカー選手のように高かった! 片脚しかないのに、元日本代表の北澤さんが両足を使ってシュートしたのよりも、もしかしたら強いんじゃないかと思うようなシュートを、クラッチの上から放っているんですよ。その姿は本当に衝撃でした。僕も同じようにクラッチを使っていると、障害者とプレーしているという気持ちにはまったくならなかったです。
サッカーIQが高い選手が多いんでしょうね。なにより、ハードワークをこなしているだろうから、プレー時間中にひたすら動き回れる体力もあるし。彼らはアスリートとして必要な能力を身につけた競技者だと感じました。そこが一番、印象に残っています。
意外と思われるかもしれませんが、実は僕、「サッカー」自体が初体験なんです。この番組で視覚障害者競技のブラインドサッカーには挑戦しましたが、アイマスクをして、音を聞いて動いていたので、また違う感覚。見えている状態でボールを蹴るのは、初めてです。だから、僕のサッカーの導入としてアンプティサッカーを体験できて、とても有意義な時間でした。
クラッチがあれば、地球上どこへ行っても楽しめる
実際に体験して、アンプティサッカーの魅力・伸びしろを感じたようだ 【写真:荒木美晴】
アンプティサッカーは、クラッチさえあれば、地球上どこに行っても楽しめる!国内の競技人口はそう多くないけれど、世界を見れば国際大会も、ワールドカップもあって、道が開けている。ここに人生を使う価値がある本当に楽しい競技。ぜひ障害者のみなさんに、とくに切断している人たちに一度は体験してもらいたいですね。
■武井壮プロフィール
陸上・十種競技の元日本チャンピオン。スポーツ番組やバラエティなど、テレビやラジオを中心に活躍しつつ、世界マスターズ陸上の4×100mリレー(M40クラス、M45クラス)の金メダリストであり、日本記録保持者。今でもさまざまなスポーツにチャレンジし続けている。現在はプロテストを目指してビリヤードにも挑戦中。
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「百獣の王」武井壮さんがパラスポーツを体験、トップアスリートとの真剣勝負に挑みます。戦いの結果は……。どうぞお楽しみに!
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