「前走道悪→今走良馬場」のデータ傾向 馬券になるタイプを芝・ダート別で分析

JRA-VANデータラボ

「前走ダートの重・不良→今走ダートの良」の前走着順別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて表5〜8の項では「前走ダートの重・不良→今走ダートの良」に関するデータを紹介する。ダートにおいては、水分を多く含んだ重・不良のほうが良馬場より速いタイムが出やすく、基本的には芝と逆の傾向にある。このことを踏まえたうえで以降のデータを見ていこう。

 まずは前走着順別成績。先に確認した芝とは対照的に、ダートにおいては前走1着の成績が振るわない。特に、1秒以上突き放して勝っていた馬の成績が【1.2.7.40】と大苦戦。前走ダートの道悪で千切って勝っていても、今走が良馬場だと別物と考えたほうがいいだろう。前走2着は高い好走率を記録しているものの、単勝だと過剰人気の傾向も。93%と高い複勝回収率を活かして、3連複や馬連の軸馬として扱うとよさそうだ。穴っぽいところでは、いずれも回収率が良好な前走7、8着あたりが面白い存在となる。

「前走ダートの重・不良→今走ダートの良」の前走4角通過順別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は前走4角通過順別成績。勝率ベースでは前走4角6番手まで、複勝率ベースでは前走4角9番手までで通過していれば、極端な数値の違いは見られない。差がついているのは回収率のほうで、前走4角1番手や2番手は人気を集めやすい傾向にあり、特に単勝回収率は振るわない。であれば、単勝回収率103%の前走4角3〜4番手が狙い目ということになりそうだ。

「前走ダートの重・不良→今走ダートの良」の前走上がり順別成績

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は、前走で記録した上がり3ハロンタイムの順位別成績。これといった傾向を読み取りづらいというのが正直なところで、特に回収率で明らかに有利と呼べるほどの数値は見当たらない。このケースでは、好走率の高い前走上がり1位や2位を素直に重視したい。

「前走ダートの重・不良→今走ダートの良」の種牡馬別成績

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表8は、種牡馬別成績を着別度数順と単勝回収率順(30走以上)でそれぞれ5位まで示したもの。より注目したいのは単勝回収率順のランキングで、好走率でも軒並み着別度数順の上位種牡馬たちより高い数値を記録している。もっとも、単勝回収率1位のフレンチデピュティは現役の産駒が少なくなっており、実際には狙える機会に乏しい。ならば、単勝回収率で2位、着別度数順でも4位のヘニーヒューズが今後期待の種牡馬ということになりそうだ。その一例として、昨年未勝利戦から1600万下(現3勝クラス)まで不良→良→重→良の順で4連勝を飾ったクイーンズテソーロの名前を挙げておこう。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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