波乱のGI、立役者になるのはこの馬 スプリンターズS穴馬をデータ分析
前走セントウルSからの好走馬
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走キーンランドCからの好走馬
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
また、好走した8頭に共通するのは、その年に「好成績」を残していたことだ。具体的には「3勝以上」「重賞を含む2勝以上」、そして「重賞を含む3連対以上」のいずれかで、1つも該当しなかった馬の好走はない。
前走G1からの好走馬
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
また、同レースを1番人気で制したダノンスマッシュも、もちろん有力な候補になる。今年はほかにシルクロードSでも優勝し「重賞を含む2勝以上」。今回の人気どころでは唯一、各データをすんなりとクリアしてくる馬だ。
一方のセントウルS組(表5)では、勝ったタワーオブロンドンは中団からの差し切りだった。それなら、先行して2着に粘ったファンタジストのほうが配当妙味もありそうで、おもしろい存在だ。ほかに「3、4コーナー3番手以内」か「5着以内」のどちらかを満たす「牝馬」として、イベリス(3着)と、昨年の2着馬・ラブカンプー(11着、通過順2-2)が挙げられる。
そして最後にG1組(表7)だが、今年は各条件をすんなりクリアする馬は不在だ。ただ一昨年の2着馬・レッツゴードンキは、7歳を迎えた今年も阪急杯では2着に入り、まだまだ力があるところを見せている。表7ではG1馬4頭(+年内G1で3着以内)と7歳・サクラゴスペルの中間にあたるようなタイプだけに、余裕があれば押さえておきたい。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。