50代でもマラソン自己ベストを出すために vol.2 〜今の力を客観視する〜
【写真:新澤英典】
私がランニングを始めたのは15年前(当時38才)で、初めて10キロレースに出ました。この距離は当時の生涯最長距離でしたから途方もなく長く苦しい時間でした。レース前に1時間は切れると思っていましたが、予想を上回る48分29秒で走れた自分が誇らしかった記憶があります。そしてその後自己ベスト更新を続け、昨年12月に走った10キロレースでは37分03秒で走ることができました。このタイムを38才当時の私が知ったら驚くでしょう。
もちろん、若い頃にトップアスリートとして自分の限界に挑んだ方が、その後もランニングを続け50歳になってから自己ベストを出すのは難しいと思いますが、一般の市民ランナーであれば伸ばす要素はたくさんあります。
今回は、ランニング歴が長くなりタイムが停滞もしくは下降傾向の方が再び自己ベストを出すためにして欲しいことを紹介します。
もちろん、若い頃にトップアスリートとして自分の限界に挑んだ方が、その後もランニングを続け50歳になってから自己ベストを出すのは難しいと思いますが、一般の市民ランナーであれば伸ばす要素はたくさんあります。
今回は、ランニング歴が長くなりタイムが停滞もしくは下降傾向の方が再び自己ベストを出すためにして欲しいことを紹介します。
現在の力を客観的に把握する
効率よく走るためのフォーム改善や、心肺機能向上のためのトレーニングなどは次回以降に紹介しますが、それより先にすべきことがあります。
それは現在の力を客観的に把握することです。
仮に数年前に3時間30分を切っていたとしても、現在は4時間切るのがギリギリというランナーが自己ベストを更新するには現時点のタイムを30分短縮しなければならないのです。
ただ、3時間30分を切った経験があることで、今さら3時間45分や50分切りを狙うことに意味がないと、自分でも無理と分かっているのにサブ3.5を狙うペースで走る方は少なくないでしょう。
実力以上のペースで走る訳ですから、このようなレース展開になることが予想できます。
キロ5(5 00/km)より少し速いペースで前半は走るもハーフを過ぎた辺りでペースを保てなくなり、後半はペースが落ち続け最後は大失速しキロ6も保てずサブ4も危なくなる。そして自分より遅い友人に抜かれ悔しい思いをするが、失敗を恐れずに突っ込んだのだから仕方がないと自分を慰める。または後半失速するのは根性がないとか、30キロ走などの練習が足りないと考えてしまいます。
ランニングの楽しみ方は様々ですから、どのように走るかは自分で決めれば良いことですが、このようなレースを続ける限り、反転上昇することは難しいと思います。
また練習にしても、現時点でサブ4の力なのに、サブ3.5をしていた頃の負荷で練習しても、毎回やり切れずに終わります。これでは精神的にもよくないし、力も付かない。また故障リスクも増大します。
そうならないために、過去のタイムは一旦忘れて、現在の客観的な走力を把握し、その走力を上げるために必要な負荷で練習することをお薦めします。
まずは現在の力を受け入れることが大切です。それが出来れば練習メニューをやり切ることができるので、力は積み上がります。
また、自己ベストを出した時から落ち続けている走力が、少しでも上向いて行くのを感じることが出来れば、ランニングを始めたころに感じた昨日できなかったことが今日できるようになる喜びを再び感じることでしょう。
それは現在の力を客観的に把握することです。
仮に数年前に3時間30分を切っていたとしても、現在は4時間切るのがギリギリというランナーが自己ベストを更新するには現時点のタイムを30分短縮しなければならないのです。
ただ、3時間30分を切った経験があることで、今さら3時間45分や50分切りを狙うことに意味がないと、自分でも無理と分かっているのにサブ3.5を狙うペースで走る方は少なくないでしょう。
実力以上のペースで走る訳ですから、このようなレース展開になることが予想できます。
キロ5(5 00/km)より少し速いペースで前半は走るもハーフを過ぎた辺りでペースを保てなくなり、後半はペースが落ち続け最後は大失速しキロ6も保てずサブ4も危なくなる。そして自分より遅い友人に抜かれ悔しい思いをするが、失敗を恐れずに突っ込んだのだから仕方がないと自分を慰める。または後半失速するのは根性がないとか、30キロ走などの練習が足りないと考えてしまいます。
ランニングの楽しみ方は様々ですから、どのように走るかは自分で決めれば良いことですが、このようなレースを続ける限り、反転上昇することは難しいと思います。
また練習にしても、現時点でサブ4の力なのに、サブ3.5をしていた頃の負荷で練習しても、毎回やり切れずに終わります。これでは精神的にもよくないし、力も付かない。また故障リスクも増大します。
そうならないために、過去のタイムは一旦忘れて、現在の客観的な走力を把握し、その走力を上げるために必要な負荷で練習することをお薦めします。
まずは現在の力を受け入れることが大切です。それが出来れば練習メニューをやり切ることができるので、力は積み上がります。
また、自己ベストを出した時から落ち続けている走力が、少しでも上向いて行くのを感じることが出来れば、ランニングを始めたころに感じた昨日できなかったことが今日できるようになる喜びを再び感じることでしょう。
過去の自分を分析する
加齢による体力低下、走力低下を受け入れずに、過去の自分にもう一度勝負を挑むなら、まずして欲しいのは、ライバルである過去の自分のことを調べることです。
様々な情報を入手・分析して、どうすれば勝てるか徹底的に調べてください。過去の自分を一番分かっているのは自分ですから分かるはずです。
様々な観点から比較することができます。
フルマラソンや、ハーフマラソン、10キロなどのタイム、練習強度やメニュー、身体の変化、練習時間、家族、仕事、食生活、睡眠時間、使用アイテム、大会のラップタイム、補給のタイミング、ランニングフォーム、故障、疲労感、モチベーション、など、色々あると思います。
タイムが落ちているには理由があります。その理由がどこにあるのかを把握することが出来れば、その対策もより具体的にたてられます。
もしかしたらタイムが落ちた理由は体力低下ではないかもしれません。それを改善しただけで昔のように走れるかもしれません。例えば以前より効率悪いフォームになっているのかもしれないし、練習量を増やしたことでいつも疲労を抱えた状態になっているのが原因かもしれません。
一方で、経験値が上がったことでレースマネジメントが上手になった。故障しないようケアに力をいれるようになったなど、以前より良くなっている項目に気づくかもしれません。
様々な情報を入手・分析して、どうすれば勝てるか徹底的に調べてください。過去の自分を一番分かっているのは自分ですから分かるはずです。
様々な観点から比較することができます。
フルマラソンや、ハーフマラソン、10キロなどのタイム、練習強度やメニュー、身体の変化、練習時間、家族、仕事、食生活、睡眠時間、使用アイテム、大会のラップタイム、補給のタイミング、ランニングフォーム、故障、疲労感、モチベーション、など、色々あると思います。
タイムが落ちているには理由があります。その理由がどこにあるのかを把握することが出来れば、その対策もより具体的にたてられます。
もしかしたらタイムが落ちた理由は体力低下ではないかもしれません。それを改善しただけで昔のように走れるかもしれません。例えば以前より効率悪いフォームになっているのかもしれないし、練習量を増やしたことでいつも疲労を抱えた状態になっているのが原因かもしれません。
一方で、経験値が上がったことでレースマネジメントが上手になった。故障しないようケアに力をいれるようになったなど、以前より良くなっている項目に気づくかもしれません。
やり尽くしてなんかいない
過去の自分に勝つためには、体力面でも、当時の自分を超えることが理想ですが、加齢による体力低下を補えないなら、その部分にこだわりすぎるのではなく、今までしなかったことを始めてみたらいかがでしょう。これまでフォームを気にしていなかったのであれば、初心に戻って試行錯誤してみる。筋トレなど必要ないと思っていたならトレーニングを始めてみるなどできることはいくらでもあります。
速くなるために必要なことをとことんやり尽くした市民ランナーなんてそうはいません。
ただ、闇雲にあれこれ始めるのではなく、何が足りないのか、何を足したら効率的なのかを考え、試行錯誤することも楽しんでください。
速くなるために必要なことをとことんやり尽くした市民ランナーなんてそうはいません。
ただ、闇雲にあれこれ始めるのではなく、何が足りないのか、何を足したら効率的なのかを考え、試行錯誤することも楽しんでください。
■著者プロフィール
新澤英典(しんざわひでのり)
ウルトラプロジェクト代表
ランニングポータルサイト ウルトラランナーへの道管理者
健康運動指導士
JSPO公認スポーツプログラマー
JAAF日本陸連公認ジュニアコーチ
損害保険会社25年勤務後早期退職し、その後ランニングクラブ ウルトラプロジェクト(通称 ウルプロ 現在の会員数200人以上)を立ち上げ、自己ベスト更新を目指す市民ランナーの指導をしている。また、ランニングポータルサイト ウルトラランナーへの道を通じて、ランナーへの情報発信を続ける他、複数のスポーツ関連企業でアドバイザーを務めている。
52歳で、5000m、10km、ハーフマラソン、フルマラソンで自己ベスト更新
100kmウルトラマラソン完走25回中 8時間台(サブ9)8回
24時間走214.472km(2017年)
新澤英典(しんざわひでのり)
ウルトラプロジェクト代表
ランニングポータルサイト ウルトラランナーへの道管理者
健康運動指導士
JSPO公認スポーツプログラマー
JAAF日本陸連公認ジュニアコーチ
損害保険会社25年勤務後早期退職し、その後ランニングクラブ ウルトラプロジェクト(通称 ウルプロ 現在の会員数200人以上)を立ち上げ、自己ベスト更新を目指す市民ランナーの指導をしている。また、ランニングポータルサイト ウルトラランナーへの道を通じて、ランナーへの情報発信を続ける他、複数のスポーツ関連企業でアドバイザーを務めている。
52歳で、5000m、10km、ハーフマラソン、フルマラソンで自己ベスト更新
100kmウルトラマラソン完走25回中 8時間台(サブ9)8回
24時間走214.472km(2017年)
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