ミッキーチャームはデータ上で不利? 飛躍目指す牝馬の戦い・クイーンS分析

JRA-VANデータラボ
 今週の重賞は新潟のアイビスサマーダッシュと札幌のクイーンSの2レース。昨年の当欄では前者を取り上げているので、今回は後者を分析したい。一昨年はアエロリット、昨年はディアドラとG1馬が完勝して実力を見せつけたが、今年はG1馬の登録なし。これからの飛躍を誓う馬たちのなかから、データによる有力馬を探していこう。集計対象は、過去10年のうち函館開催となった2013年を除く9年分。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

人気別成績

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は人気別成績。集計対象の9年で1番人気と2番人気が各3勝を挙げ、回収率も良好。特に1番人気は安定して走っており、信頼性は高い。残る3勝は7番人気、9番人気、11番人気が1勝ずつで、1、2番人気が勝たなかったときは穴馬が1着になる傾向が見られる。勝ち馬が出ていない3〜6番人気も2、3着には計9回入っており、馬券にはしばしばなっている。

年齢別成績

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は年齢別成績。集計対象の9年で、3歳が4勝と強さを発揮している。なお、3歳については次項で好走馬の一覧をあらためて紹介する。4歳と5歳は傾向が似ており、2、3着は多いもののあまり勝ち切れない。4歳や5歳を本命視する場合は馬連や3連複のほうが無難かもしれない。6歳は極端な傾向が出ており、15年7番人気1着のメイショウスザンナ、16年9番人気1着のマコトブリジャールと穴馬が2勝を挙げた反面、それ以外の馬はすべて4着以下に敗れている。牝馬ということもあって7歳以上の出走は2例のみで、いずれも好走には至らなかった。

3歳の好走馬と同年の主な戦績

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は、3歳の好走馬一覧と同年の主な戦績をまとめたもの。故障のため春のクラシックを棒に振ったアヴェンチュラを除く4頭は重賞1着の実績があり、そのうち3頭はG1でも掲示板に載っていた。斤量で有利な3歳馬ではあるが、実力、実績も備わっていなければ好走は難しいようだ。前述のアヴェンチュラも秋には秋華賞を制すことになる実力馬。復帰戦となった前走の漁火Sでは古馬の準オープン級を一蹴しており、高い能力を持っているのは明らかだった。

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