サマーマイル開幕戦・中京記念データ予想 プリモシーン最有力も相手は横一線

JRA-VANデータラボ

中京記念出走馬(牝馬)のハンデ別成績(2012年以降)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 牝馬のハンデ別成績(表3参照)もチェックしておく。牡馬に比べて出走馬の数は少ないが、ハンデ53キロ(牡馬で55キロ換算)は【0.0.0.7】で不振。牡馬と同じようにハンデ54キロ以上の馬にまずは注目してみたいところだ。

 表1に戻り、好走馬の前走レース・前走人気・前走着順を見ていく。前走レースはパラダイスSや米子Sなど、芝1400〜1600mのオープン特別を使っている馬が多い。重賞では京王杯SCやエプソムC、安田記念といった東京芝の重賞組が多い。前走3勝(1600万)クラスを使っていたのは、15年3着のダローネガだけ。昇級馬の好走が少ないため、軽ハンデ馬の好走例も少なくなっているのだろう。

 そして、前走1着馬の好走は8頭。同2着馬は1頭で、同3着馬はゼロ。前走1番人気の好走は5頭だが、同2番人気は3頭、同3番人気も3頭いた。前走3着以内か、3番人気以内の条件を満たしている馬の方が狙いやすい。そのいずれの条件も該当しない場合は、苦しいと考えたい。ただ、左回りのレースで勝ち鞍数が多いなど、強みと言える実績があれば見直す必要がある。

 例えば、18年3着のリライアブルエースは東京・中京で3勝、15年2着のアルマディヴァンは新潟・中京で4勝の実績を持っていた。また、この両馬はハンデ54キロ(牝馬は52キロ)以下でもあった。前述のダローネガも前走東京芝1600mの湘南Sを勝利していた。軽いハンデで狙えるのは、左回りの実績・適性に長けている馬ということが言えるだろう。

結論

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 それでは今年の中京記念を占っていこう。出走予定馬は表4の通り。

 まずは出走予定馬のハンデを見ていく。基本的には56キロ(牝馬は54キロ)以上の馬が優勢で、勝ちやすい傾向にある。今年はプリモシーン、ロードクエスト、キャンベルジュニア、ヒーズインラブ、ロワアブソリュー、ミエノサクシードらが候補。その中ではプリモシーンが最有力だろう。前走ヴィクトリアマイルに出走し、4番人気で2着という結果だった。備考欄には記載しなかったが、昨年の関屋記念優勝馬で、サマーマイルシリーズで結果を出している点が大きな強みだ。その他の候補の前走成績があまり良くない点も、本馬を後押しできる要素となる。

 ロワアブソリューは前走3番人気で、過去に東京・中京で5勝という実績がある。ただし、前年の中京記念で12着と惨敗。この点は気がかりだ。

 ハンデ55キロ以下は積極的に狙いにくいが、今年はそうも言っていられない状況かもしれない。ハンデ54キロのエントシャイデングランドボヌールには、過去に左回りコースで勝ち鞍が多い。また、前走NHKマイルCで3着の3歳馬カテドラルにも十分チャンスがありそうだ。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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