「球持ちの良さ」は本当に重要? ピッチングへの影響をデータで探る
球持ちの良さは、球速を高める効果あり?
長身投手はリーチが長い分エクステンションも高まりやすいが、その影響を除いたらどうなるのか 【写真は共同】
ただし、別観点から考えて、もし球持ちの良さが球速を高めているのであれば、結果的に球持ちは効果的だということになる。球持ちと球速の関係について、もう少し考えていきたい。
先ほどのデータでは、エクステンションが高まると球速も高まっており、一見球持ちがいいと球速が高まるように感じる。しかし、これでは「そもそも体の大きな投手」の影響を除けていない。体の大きな投手は、いわゆる前でリリースするフォームでなくともエクステンションが大きくなる可能性があるためだ。そのため、最後に、エクステンションでリリース高を除したエクステンション比と球速の関係を見てみたい。
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【Baseball Geeks】
ただし、エクステンション比が大きくなりすぎると、逆に球速に対してネガティブな影響を与えている。つまり、無理矢理前でリリースし「過ぎる」と逆に球速が低下する可能性を示唆しており、必ずしも球持ちを長くすればいいとは言えない。
また、投球フォームは非常に個別性が強く、これらの法則から逸脱してスピードボールを投げる投手も多く存在する。球持ちだけを肯定するのではなく、それぞれのフォームの「最適なリリース位置」を探ることが重要なのだろう。
「打者を打ち取ること」が投手の真の目的
また、上原浩治投手(元巨人ほか)のようにエクステンションが極端に短い事(メジャー平均188センチに対し上原投手は160センチ台)で打者のタイミングを外している投手もいる。
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(文:森本崚太/Baseball Geeks)