レイデオロ、スワーヴは宝塚苦戦か データで推奨しづらい海外帰り組

JRA-VANデータラボ

前走ドバイSC・クイーンエリザベス2世C組の成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 天皇賞(春)組と同じように、前走着順が重要となりそうなレースがあった。それは海外組。表4では前走ドバイシーマクラシック組と香港のクイーンエリザベス2世C組の成績を記した。表1で示したように、過去10年では3頭の好走馬がいる。16年のドゥラメンテ、13年のジェンティルドンナ、12年のルーラーシップ。いずれも実力馬であり、前走で連対を果たしていた。天皇賞(春)組とは対照的に、前走着順が良くないとここでは厳しいという傾向が出た。海外遠征明けなので調整は難しく、好調を維持できているかがポイントとなるが、まずは前走での好走が、単純ながら重要な条件だ。

前走天皇賞(春)・DSC・QE2C組以外の宝塚記念好走馬(過去10年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5では前走天皇賞(春)組、ドバイシーマクラシック組、クイーンエリザベス2世C組以外の好走馬を記した。前走レースは何でもいいが、できるだけいい着順であるのが理想。ただ、ヴィクトリアマイル組だけは大きく負けていても、軽視しない方がよさそうだ。あとは、過去1年以内に芝2200mの重賞で好走経験があるかどうかが重要。G1であれば3着以内、G2やG3であれば連対していることが望ましい。そうした実績を保持していた馬は、17年のサトノクラウン、16年のマリアライト、11年のアーネストリー、10年のナカヤマフェスタなどがいる。勝ち馬は例外なく該当しており、距離実績・適性はかなり重要だと考えられる。

結論

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 それでは今年の宝塚記念を占っていくことにする。出走予定馬は表6の通り。

 まずは前走天皇賞(春)に出走していた馬は2頭。エタリオウとクリンチャーだ。エタリオウは勝ち馬から1.0秒とやや引き離されてしまったが、許容範囲内の着差。有力馬の1頭と考えたい。一方、クリンチャーは勝ち馬から2.7秒離されており、一変は厳しいと見る。

 前走海外組は3頭。スワーヴリチャード、レイデオロ、リスグラシューといずれも実力馬であることは間違いないが、データ的には推奨しにくい。特に上位人気が予想されるレイデオロは、ドバイシーマクラシックが6着。不本意な展開とはいえ、大きく敗れた。スワーヴリチャードとリスグラシューはともに前走3着。好走はしているが、前走連対という条件からは外れる。ただリスグラシューは、2着馬とタイム差なしなので非常に惜しい。なおかつ前年のエリザベス女王杯を勝っている。同馬だけは捨てがたいところだ。

 その他では、やはり前走大阪杯の連対馬になるだろう。芝2200mの実績ではアルアインが上だが、キセキが逆転しても全く不思議はない力関係だ。あとは、昨年の宝塚記念で激走したノーブルマーズを今年も押さえるかどうかといったところだろう。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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