プレースタイルに合わせて最適なスパイクを選ぶ スパイクマイスター Koheiが指南 後悔しないスパイク選び

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【画像提供:kohei】

「カッコいい!」と思ってサッカースパイクを買ったものの、「いまいち合わない…」と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、500足以上のサッカースパイクを所有し、これまでに自身のブログを通じて、1,000足以上ものスパイクを紹介してきたKoheiさんがアドバイス!

 第2回(全4回連載)では、自分の足や、プレースタイルに合ったスパイクの選び方についてうかがいました。

自分の足型を正確に把握していますか?

――日本代表やW杯でのシェアが、そのままアマチュアに反映されるわけではない?

 そうですね。テレビで観て、スター選手と同じスパイクを履きたくなる気持ちは分かります。その点で言えば、反映は割とあるかと思います。古くはマラドーナ(アルゼンチン)やペレ(ブラジル)、最近だとメッシ(アルゼンチン)、ネイマール(ブラジル)、C・ロナウド(ポルトガル)らが履いているスパイクを、自分も履きたいと思う欲求は生まれてくると思います。特に小学生や中学生年代では。ただし、そういう風に有名選手が履いているスパイクと同じものを選んだり、デザインやカラーリングだけでスパイクを選ぶと違和感が出てくる可能性があります。問題は、そこですよね。

メッシら世界のスター選手と同じスパイクを履きたくなる気持ちはいつの時代も変わらない 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

――買ってみて、「合わないな」と失敗する。

 そういうパターンは往々にしてありますね。

――アマチュアは何を基準にスパイクを選ぶべき?

 まずは自分の足型を把握することが大事ですね。最近のサッカーショップやスポーツ量販店では、お客さんの足型を計測してくれるところもあります。自分の足の長さや幅などをその場で教えてくれて、店員さんによっては、「こういう足型だったら、このスパイクがいいですよ」と提案してくれる場合もあります。自分の足に合わないスパイクを選んでしまう原因は、自分の足の形を把握していないからなんです。自分の足型が分からないままに、カッコいいからという理由だけで細身のスパイクを選んでしまうと、足の小指付近に痛みが出たり、かかとが靴擦れしてしまうことがあります。

――自分のポジションは関係ありますか?

「ポジション別にオススメのスパイクはこれ!」とは一概に言えないんですよね。例えばサイドバックだと、ボランチやサイドハーフにボールを出してビルドアップの起点となるタイプの選手もいれば、縦横無尽に走り回るプレーが得意な選手もいます。ボランチだとパスを出すのが得意な選手もいれば、ピッチをハードに動き回ってゲームをコントロールする選手、守備が得意で相手の縦パスを刈り取ることが得意な選手もいます。

 ポジションによっても、選手によっても、ストロングポイントや得意なプレー、チーム内で求められるプレーが変わってきます。ポジションというくくりではなく、本当に自分の得意なプレーや、好きなプレーをサポートしてくれるようなスパイク、あとはシンプルに履きやすい、走りやすいと感じたスパイクを選んでもいいと思います。

 それにプラスして、自分の足型とプレー環境ですね。例えば土のグラウンドでの練習が多い選手、人工芝だけで練習する選手もいると思います。それらを鑑みて、土に適したソールを搭載したスパイクを選んだり、人工芝に対応したソールを搭載したスパイクを選んでいくのがいいと思います。

 ジュニア年代のプレーヤーの場合は、お父さんお母さんが「サッカーをやっていてどういうプレーが楽しい?」と聞いてみて、「シュートを打つのが好き」という子なら、正確なシュートやキックをコンセプトにしたスパイクだったり。一方で、「サッカーをやっているのが好き」というように漠然とした動機だったらその子の足に合いながら足への負担を軽減したり、安定感があってケガをしにくいようなスパイクを買ってあげるのが良いかと思います。ケガをしてしまうと楽しくサッカーができなくなってしまうので、そういった足を守るということも視野に入れながらスパイクを選んでいくのもいいと思います。特に小学生や中学生などは。

あなたのプレースタイルはどんなタイプか?

【画像提供:kohei】

――シュートを決めることが役割のストライカータイプに合うスパイクは?

 ナイキの「ファントムヴェノム」が攻撃、シュートというコンセプトに基づいて作られています。ただ、それが誰の足でも合うかというとちょっと違ってきます。本当に突き詰めていくと人それぞれになってしまうんですよね。
――司令塔、パサータイプだといかがですか?

 アディダスの「プレデター」でしょうか。ニットが柔らかく足にフィットしますし、ボールコントロールの手助けをしてくれます。フィン構造と呼ばれるテクノロジーがアッパーに搭載されていて、ボールタッチ、ボールコントロールをサポートしてくれるのが特長。中盤でボール散らすときやフィードを蹴るときにサポートしてくれると思います。ナイキの「ファントムビジョン」、ミズノの「レビュラ」も、キックの精度を上げたいと思っている人におすすめです。
――サイドの選手ではスピードタイプがいいですか?

 ナイキの「マーキュリアル」もいいのですが、サイドバック、サイドハーフの選手は自分のプレースタイルに基づいたスパイクを選んでほしいですね。ドリブラーもいれば、中に切り込んでいく選手もいる。サイドバックにはこれというのはないですね。スピードに自信がある人はアディダスの「エックス」、ニューバランスの「フューロン」など、軽くてスピードをコンセプトにしているスパイクもいいかと思います。
――守備的タイプのボランチ、センターバックだといかがでしょう?

 ボランチ、センターバックは人それぞれですね。足に合ってさえいれば問題ないかなと。ただ、吉田麻也選手(サウサンプトン)は、「プレミアリーグの前線の選手たちはアディダスの『エックス』やナイキの『マーキュリアル』など、スピードを上げるためのスパイクを履いている中で、ディフェンダーが普通のスパイクを履いていていいのか」といった考えを持っており、ミズノの「レビュラ」というスピードもボールタッチもサポートしてくれるようなスパイクを履いています。ディフェンダーも最近は守っていればいいだけでなくて、ボランチにくさびを当てたり、サイドに散らしたり、正確なフィードも蹴らないといけない。足元の技術や視野の広さも求められていますよね。

スパイクにも独自のこだわりを持つ吉田麻也 【写真:REX/アフロ】

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――その他、ここまで名前が挙がったメーカー以外に気になる新興勢力はいますか?

 ニューバランスですね。先日、日本代表に選ばれたディフェンダーの畠中槙之輔選手(横浜F・マリノス)が履いていまして、A代表で初めてニューバランスのスパイクを履いて出場した選手になりました。(2019年3月26日・キリンチャレンジカップ2019ボリビア戦)

畠中槙之輔はニューバランスを着用 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

――ニューバランスのスパイクの特徴は?

 ニューバランスは3つのシリーズを出しています。スピード系の「フューロン」はマネ選手(セネガル代表)が履いていて、軽量性やスピードに特化したスパイクです。「テケラ」シリーズは、ボールコントロールも追求しつつ、足運びなども考慮されたスパイクです。あとは、フィット&ボールタッチの「442」シリーズ。ニューバランスはアメリカのブランドですが、日本市場向けに土のグラウンドにもきちんと対応したHG(土用)のソールを作っています。ニューバランスはもともと矯正靴メーカーだったということもあり、「足を守る」、「履き心地」などに関しては本当に秀でたブランドです。お子さんでも安心して履けるシューズも出している印象ですね。

Kohei プロフィール

小学1年生でサッカーをはじめ、大学まで部活でプレー。現在は仕事をしながら社会人サッカークラブでFWとしてプレーしている。2009年8月にKohei's BLOGを開設し、サッカースパイクの最新情報から実際に履いてみてのレビュー、フットサルシューズ情報まで、あらゆる記事を発信。いまでは、月間アクセス数180万PVを誇る。これまでに約500足を所有し、1,000足以上ものサッカースパイクを履いてきた日本初のスパイクマイスター。

【Kohei's BLOG サッカースパイク情報ブログ】
http://blog.livedoor.jp/koheisblog/

【Kohei's BLOG 公式ツイッター】
@koheisblog
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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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