「低めに投げろ」は本当に有効か? ピッチングの定説をデータで検証
高めは本当に危険なのか?
2018年の全4シームの投球から、ボールの高さ1センチ毎の空振り割合を算出した。データを見ると、高めになればなるほど空振り割合が増加していた。
【Baseball Geeks】
引退を表明した巨人の上原浩治も、高めのコースを積極的に使う投手であった。リリーフである上原は、そのホップ系の球質を生かしてゴロよりも空振りを狙いにいく投球を見せていた。
Statcastの発展で、投球したボールの「見える化」は一気に加速している。ホップ成分やシュート成分といったボールの「球質」も明らかとなり、有効なコースも一意的でなくなってきているのかもしれない。
定説や経験則だけでなく、選手の特性に応じた選択。それこそがこれからの投球指導に求められるスタイルなのであろう。
(文:森本崚太/Baseball Geeks)
<引用>
森下ら(2016). 投球コースの違いがバットスイングに及ぼす影響 プロ野球選手と大学野球選手との比較. 野球科学研究会報告集,p126-127