馬場「この優勝に満足せず3連覇を」 BリーグCS 2018-19 ファイナル後コメント

スポーツナビ

12得点12リバウンド6アシストの活躍でファイナルMVPを獲得した馬場 【写真:バスケットボールキング】

 5月11日に横浜アリーナで「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」のファイナルが行われ、千葉ジェッツ(東地区1位)とアルバルク東京(ワイルドカード上位)が対戦。昨シーズンと同じ顔合わせとなったこの戦いは、A東京が71−67で勝利し、Bリーグ初の連覇を果たした。

 前半は35−33とA東京リードで折り返したが、第3クォーターに入りA東京は攻防において千葉を圧倒。19点ものリードを奪うなど、一気にペースをつかんだと思われたが、あとのない第4クォーター、千葉は富樫勇樹の3ポイントなどで急追。2点差まで追いつくも、最後はA東京が千葉を振り切り、『令和』初のチャンピオンに輝いた。

 以下は、A東京陣営のコメント。

ルカ・パヴィチェヴィッチHC「ファイナルにふさわしい、いいゲーム」

2年連続でA東京を頂点へ押し上げたルカHC 【写真:バスケットボールキング】

 千葉ジェッツとは2年間にわたり15、16回もプレーしているので、お互いの手の内を知っている状況での今日のゲームだった。千葉は非常に速いチームなので、ここをいかに抑えるかがカギ。相手にイージーバスケット、走られて点数を取られないことを意識するディフェンスがキーだと思う。仮にファストブレイクを抑えられても、その後のオフェンスリバウンドが注意点で、千葉はここに飛び込んでくる。いかにオフェンスリバウンドをさせないようにしっかりとボックスアウトして、ディフェンスリバウンドでわれわれのディフェンスを締めることを最重視していた。

 それと当時に、ハーフコートオフェンスでは千葉は富樫選手を中心にピック&ロールで攻めてくるので、ここへいかにプレッシャーを掛けてタイトに守ることがディフェンスのカギだった。インサイドのギャビン・エドワーズ選手、ジョシュ・ダンカン選手も力強いプレーをするから、チーム全体、そして1対1のディフェンスで守ることが大事。今日の試合に関しては、長い時間帯で自分たちのディフェンスをできる時間が多かったが、試合の途中、特に後半、それができていない時間で詰められてしまった。それにより最後の最後まで勝利の行方が分からない、ファイナルにふさわしい、いいゲームだったと思う。

 安藤(誓哉)選手と小島(元基)選手の2人のポイントガードはタフなディフェンダーだ。プレッシャーをかけ続けることが、富樫選手へのディフェンスのカギだった。それをやれた時間もあったが、彼らも疲労がかなり溜(た)まっている感じもあった。富樫選手はスペースを与えてしまうとすぐにシュートを決めてくる。昨年は12本の3ポイントを沈められた試合もあった。これはステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)しか沈められないような本数だと思う。

 千葉もピック&ロールを中心に攻めてくるので、富樫選手から離れないこと、密着することを要求している。安藤選手、小島選手をしてもスペースを与えている時間もあったので、馬場(雄大)選手にマッチアップを代えた。馬場選手は、スピードはもちろん、長さ、身長、身体能力もあり、身長差をいかに使って、富樫選手のリズムを意図的に崩すことが狙いだった。

田中大貴「みんなで我慢して勝ち取った勝利」

エースの田中は5本中3本の3ポイントシュートを含む計16得点を記録 【写真:バスケットボールキング】

 千葉は一度勢いに乗ると、そのまま試合を決めてしまう力があるので、試合の出だしをすごく意識していました。最初からイーブンのペースで試合が進めば、自分たちにチャンスがあるんじゃないかと自信はありました。自分たちが思い描いていたようなゲームプランで進んでいったと思います。ただ、第4クォーターはまずかったと思います。明日、この4クォーターのビデオを見せられることはないと思うので(笑)、今日はみんなで我慢して勝ち取った勝利だと思います。

 前半は少しタフショットを打ってしまったり、イージーなレイアップを落としてしまったり、うまくやれない中、3ポイントが3本決まったのはちょっと大きかったなと思っています。それと同時にどれだけうまくいかないことが起きても、今日の試合は終始アグレッシブにやろうと決めていました。そういう意味では第3クォーター、ギャビン(エドワーズ)選手にアタックしてバスケットカウントを奪ったシーンは、自分の中では一番いいプレーだったと思います。

 すごくタフなシーズンだったと思います。開幕前にタイで5試合もこなさないといけなかったり、自分もその大会の最後にケガを抱えてしまって。シーズンが始まってからも、完治できない状態でした。自分たちのリズムでシーズンをうまく戦うことが難しかったとのですが、その中で全員がハードワークし続けて、次の試合にしっかり備えて。今日、この日のために一つずつステップアップしていこうという思いがあったので、その意味ではすごく充実したシーズンだったと思います。

 チャンピオンシップに入っても、各地区の1位を倒してファイナルまで来ました。琉球とのタフなシリーズを制したことでチームに勢いが出たと思います。苦しかったですけれど、最後にこうやって終わることができてすごくうれしく思います。

馬場雄大「これが終わりではなく始まり」

 天皇杯の準決勝は、最初でガツンとやられて差を詰めるのが精一杯だったので、今回は出だしを意識しました。(田中)大貴さんや僕のピック&ロールからノーマークを作ることがうまくできていたので、そこから他の選手もフリーのシュートを決めきれましたし、第4クォーターの反省はありますが、自分たちが思い描いていたバスケが展開できたので勝てたと思っています。

 第3クォーター、(安藤)誓哉さんにボールを配給して3ポイントを決めてくれたり、ディフェンスが寄ってきたところを周りにパスを配給できたことが、チームの勝利を考えたら一番良くできたプレーかなと思います。

 チャンピオンシップは全試合アウェイで戦うことになってしまいました。ファンの皆さんも足を運ぶのが難しい中、パブリックビューイングなどを東京でしてくださって、改めて応援されているなと感じつつ戦うことができました。この優勝で皆さんの思いに応えられたと思います。令和ということで、まだこれが終わりではなく始まりだと思うので、満足せずに3連覇を目指してやってきたい。

 新潟(アルビレックスBB)は中地区で優勝していて、琉球(ゴールデンキングス)は西地区優勝チームなので、すごくタフだったのは間違いないです。その中でファンの応援を感じて戦えたのは、今後続くバスケット生活でこのターニングポイントが自分たちをさらに強くすると思いますし、ここで満足せず戦っていきたい。少し余韻に浸って、次は代表。がんばれば日本バスケが変わったと言われるような瞬間が来ると思うので、その場に立てることに感謝してプレーしたいですし、他のメンバーとも切磋琢磨していきたいです。

アレックス・カーク「チームで意識してリバウンドで上回れた」

カークはこの試合、先制点となるバスケットカウントを決めてチームを勢いづけた 【写真:バスケットボールキング】

 本当にタフな試合内容でした。ファイナルまでたどり着けて、この舞台でプレーできることは本当に幸せに感じて良かったと思います。今日の試合は自分たちらしいプレーは長い時間帯でできましたが、第4クォーターの千葉のアグレッシブさに少し引いてしまう部分がありました。第4クォーターで相手に乗らせてしまったことは今日の反省点です。勝つためにしっかり準備して、コーチ陣、メディカルスタッフ、フロントスタッフなど、連覇はチーム全体、チーム関係者全員が一体になった結果だと思います。

 リバウンド争いは(ギャビン)エドワーズ選手、マイケル・パーカー選手がリーグ中でもオフェンスリバウンドに飛びこんできて、数字を残している選手です。2名はスピード、身体能力もありすべてのシュートに絡んできますので、チーム全体としてリバウンドがキーポイントの一つに挙げられました。今日は数字だけ見たら、オフェンスリバウンドを計6本に抑えています。過去にも千葉との対戦でリバウンドで痛い思いをして負けていますので、意識が高かったと思います。それに、馬場選手も12リバウンドを取っていますので、チーム全体でリバウンドを意識した結果、リバウンドで上回れたと思います。

(先制点は)勢いをつけるような形で、オフェンスリバウンドからのプットバックが成功してホッとしています。もっともっとプットバック、オフェンスリバウンドを取りたかったですけど。今日はチームメートがいいシュート、思いきったシュートを打ちましたので、リバウンドに入る自分も躊躇したりせずに、オフェンスリバウンドに飛び込んでいけました。

<次ページは千葉陣営のコメント>

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