G1で好走連発! 休み明けの馬券の狙い方 これまでの“常識”覆すデータ傾向

JRA-VANデータラボ

「中12〜16週の休み明け」に絞ったデータを考察

 今年の桜花賞を制したグランアレグリアは中15週、皐月賞のサートゥルナーリアは中14週、天皇賞・春のフィエールマンは中13週と、今春のG1シリーズでは休み明けで出走した馬の好走が目立っている。そこで今回は、これらの出走間隔も含まれる「中12〜16週の休み明け」に絞ったデータを調べてみたい。昨年からG1で休み明けの馬が勝利するケースが顕著に増えてきたことを考慮し、集計対象は2018年1月6日〜19年4月21日の平地戦のみとする。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

全体および馬場別成績

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は、中12〜16週で出走した馬の全体成績と芝ダート別の成績を示したもの。まずは全体成績から見ていくが、これだけでは語りづらいため、同期間の全馬の成績(勝率7.1%、連対率14.2%、複勝率21.3%、単勝回収率72%、複勝回収率72%)と比較する。すると、勝率はほぼ同等で、連対率と複勝率はわずかにダウンするが、単勝回収率は11ポイント高く、複勝回収率も3ポイントほど上回っていることがわかる。つまり、好走率はわずかに下がるが、それ以上に人気が落ちている様子がうかがえ、中12〜16週はなかなか妙味のある出走間隔と言えそうだ。

 次に芝ダート別の成績を見ると、好走率が高いのは芝。ただし、ダートは単勝回収率88%と高く、勝ち切りを狙ってみる価値はある。

クラス別成績

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2はクラス別成績。勝率ベースの数字に注目すると、概してクラスが上がるほど数値が高くなっていることがわかる。厳しいレースになる上級戦で休み明けは苦しいというイメージもあるが、少なくとも中12〜16週において際立った不利は感じられない。むしろ、今春のレース結果を見ても、現在では狙いすましてG1を獲りにくる馬が採用する出走間隔と考えるほうが実態に合っているのかもしれない。

馬体重別および馬体重増減別成績

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は馬体重にまつわるデータで、上はレース当日の馬体重、下は馬体重の増減を表している。まず馬体重に関しては、480キロ以上ある馬が好走率、回収率ともに良好。従来は休み明けだと大型馬は仕上げにくいというのがセオリーだったが、ここでもイメージを覆すような傾向が表れている。また、増減に関しては「今回増」の成績がよく、プラス20キロ以上でも勝率12.0%、単勝回収率243%という数字が残っている。最終的には個別の馬の仕上がり具合で判断すべきだとしても、大幅馬体増というだけで割り引くのはもったいないかもしれない。

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