MSGへ、新日背負うオカダの誓いと送り出す柴田の想い

高木裕美

オカダ、NJC6年ぶり2度目の制覇

NJCを制したオカダは、米国開催でジェイ・ホワイトと激突する 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 新日本プロレスの春の最強決定トーナメント「NEW JAPAN CUP 2019」(NJC)が24日、新潟・アオーレ長岡で最終戦を迎えた。メインイベントの決勝戦では、「大本命」の“レインメーカー”オカダ・カズチカが地元・新潟出身のSANADAを下し、6年ぶり2度目の優勝。4月6日に米国・ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)のメインで、IWGPヘビー級王者ジェイ・ホワイトに挑戦する権利を手に入れた。

 15回目となる今年のNJCは、史上最多となる32選手が参加。ヤングライオンから未知の強豪までがしのぎを削った結果、共に31歳の“同級生”が決勝の舞台に並び立った。両者のシングルでの通算戦績は、3年間でオカダの4勝0敗と圧倒的。とはいえ、この日の決勝戦では、SANADAがラウンディングボディープレスやSkull End、TKOでオカダをあと一歩まで追い詰める場面が続出。また、SANADAがツームストンを繰り出せばオカダもドラゴンスリーパーを仕掛けるなど、相手の裏の裏を読んだ技の攻防が続出。30分を超える激戦の末、オカダがレインメーカーで勝利した。

試合は30分を超える熱戦となった 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 試合後、オカダはマイクアピールで「新日本からいろんな人がアメリカに行ったけど、NEW JAPAN CUP、物足りなかった? オレは、新日本プロレスが世界一だと思ってます」と、新日本を守る者としての意地とプライドをムキ出しにした。MSGといえば、世界最大のプロレス団体WWEが、年間最大のビッグイベント「レッスルマニア」の第1回大会を行ったことなどから「格闘技の殿堂」とも言われる世界的な聖地。そして、新日本にとってアメリカとは、積極的に事業展開を進める第二のマーケットでもあり、ライバルの多い“敵地”でもある。近年、新日本マットを盛り上げた中邑真輔やAJスタイルズらがWWEに移籍。また、今年に入ってからは、オカダからIWGP王座を奪ったケニー・オメガらが新団体AEWと出場契約を結んだ。だからこそ、オカダとしては、このMSGの舞台でベストを尽くしたいという思いは強いはずだ。

 もちろん、「レインメーカー」としての使命もある。オカダは、目の前に現れた王者ジェイと、かつてのマネージャー・外道に対し「オレとおまえじゃレェェヴェルが違うんだよ」とニヤリと笑ってみせると、早くも“次期挑戦者”にはSANADAを指名。「アメリカに、新日本に、世界に、長岡に、金の雨が降るぞ!」と王座奪回を約束した。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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