スプリングSは今年も前走500万組に注目 データのイチ押しはロジャーバローズ

JRA-VANデータラボ

前走G1からの好走馬

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走で中央競馬のG1に出走していた好走馬は表5の6頭。そのすべてが前年の朝日杯FSに出走して連対、そして本競走では2番人気以内に推されていた。つまり好走条件が「G1で連対」とかなり厳しいものとなり、G1に出走していただけでは強調材料にはならない。

前走500万条件からの好走馬

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走500万条件組は13頭が好走、ここ3年は2頭ずつ好走と、注目の欠かせない存在になってきた。この13頭すべてに共通するのは、前走で芝1600〜2000mのレースに出走していたこと。さらに13頭中12頭は、キャリア3〜5戦、前走4番人気以内、そして前走では連対していた。この4項目をすべてクリアする馬なら【3.4.4.9】複勝率55.0%、複勝回収率161%となる。なお、キャリア2戦で優勝したキタサンブラックは、デビュー2連勝を飾っていた。

前走オープン特別〜G2からの好走馬

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表7は、前走でオープン特別〜G2に出走していた好走馬11頭である。この11頭は全馬が前走4着以内、そして11頭中10頭が前走芝1800〜2000m、同じく10頭が前走1〜3番人気。さらに、11頭中9頭は本競走で4番人気以内の支持を受けていた。

 特に同距離・芝1800mの共同通信杯、きさらぎ賞に出走していた馬が多く、過半数の7頭を占めている。この「共同通信杯・きさらぎ賞組」は計【2.4.1.18】複勝率28.0%だが、前走1〜3番人気で4着以内に入った馬にかぎると【2.3.1.2】複勝率75.0%と、かなり信頼性は高くなる。なお、表4でも触れたように京成杯組は10頭すべて圏外に敗退している。

結論

 近年のスプリングSで、好走馬を多く輩出しているのは前走500万条件組。表6本文で挙げた好走条件をクリアすれば複勝率55.0%を記録し、本競走での人気に左右されない点も事前に予想する際には狙いやすい。

 今年、表6の条件をクリアするのはエメラルファイトヒシイグアス、そしてロジャーバローズの3頭だ。このうち、エメラルファイトは前走時の段階で448キロという点が表2からマイナス。ヒシイグアスは前走「逃げ」の馬が【0.3.0.11】(中山開催時、Target frontier JVによる分類)と勝てていないことが、1着候補とするには気に掛かる。残る1頭・ロジャーバローズは前走時500キロの大型馬で、前走「先行」も【5.3.5.37】と不安なし。この3頭では筆頭格になる。また、エメラルファイトやヒシイグアスも、ロジャーバローズとの比較でこそ分が悪いものの、有力候補には変わりない。

 9番人気だった朝日杯FSで2着に好走したクリノガウディーは、表5から今回2番人気以内に推されるかどうかかカギ。これをクリアしてくるようなら、上記3頭と互角以上の評価が可能だ。その他の組では、表7の条件をすべてクリアする馬が今年は不在。減点材料1つ(本競走での人気を除く)の馬では、シークレットラン(前走京成杯)、タガノディアマンテ(前走6番人気)、ディキシーナイト(前走1400m)あたりの名前が挙げられる。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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