JRAダート重賞開幕戦を飾る馬は? GI前哨戦・東海Sをデータで解く

JRA-VANデータラボ

前走クラス、レース別成績(レースは好走馬輩出レース)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走クラス別では、中央のG1組が複勝率37.5%と安定した結果を残す。好走馬6頭の前走は、13年(本競走としては14年)までのジャパンCダートと、14年以降(同15年以降)のチャンピオンズCだ。また、地方競馬出走組の好走馬3頭はいずれも東京大賞典から。名古屋グランプリ【0.0.0.2】など、他のレースからは好走馬が出ていない。

 その他では、好走確率こそ低いものの、オープン特別組が馬券圏内に6頭を送り込んだ。このうち5頭は中山ダート1800mのフェアウェルSと師走Sで、レース名こそ違えども事実上同じレースである。その師走Sは一昨年に12月末から上旬へと移動したが、昨年の本競走ではコスモカナディアンが同レース12着から巻き返して2着に激走した。

 なお、同じ中山ダート1800mのオープン特別でも、年明けのポルックスS組は【0.0.0.13】と相性が悪い。また、好走馬のレース間隔は、最長でもみやこS(昨年はJBC開催週が相当)の11月上旬以来。優勝馬6頭はすべて前走12月の出走馬から出ている。

前走G1からの好走馬

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は、中央、地方を問わず前走でG1に出走していた好走馬9頭である。このうち7頭に共通するのは、前走で今回のメンバー中、最先着(対象は各レースからの直行馬のみ)を果たしていたことだ。東京大賞典組なら「4着以内で最先着」だった馬は【2.1.0.0】、その他の馬は【0.0.0.4】。ジャパンCダートとチャンピオンズC組は、最先着馬なら【2.1.1.2】、その他の馬は【0.0.2.7】となる。

 残る好走馬2頭のうち、15年のインカンテーションは左回りダートで【5.0.1.2】の好成績で、うち中京では【2.0.1.1】。そして18年のモルトベーネは前年の本競走2着馬と、最先着馬以外なら、左回りやこのコースでの十分な実績が必要だ。

前走G1以外からの好走馬

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表6は、前走G1以外から好走した9頭で、すべて前走は中央のレースである。うち8頭は、前走で本競走と同距離の1800m戦に出走、7頭は前走で4番人気以内に推されていた。この「前走は中央・G1以外」組は、前走4番人気以内なら【2.3.2.14】複勝率33.3%、複勝回収率121%。このうち前走が1800m戦だった馬は【1.3.2.9】で同40.0%、159%になる。前走がG1以外なら、1800m戦で4番人気以内に推されていた馬がまず狙いだ。

 なお、前走5番人気以下から好走した2頭、モルトベーネとメイショウウタゲ(ともに17年)は、前走2桁人気ながら6、4着にまとめ、再びここでは2桁人気にとどまった馬だった。前走2桁人気でもまずまずの走りを見せた馬がいれば、穴候補として注目したい。

結論

 表4、5から、まずは前走G1最先着馬に注目したい一戦だ。今回の登録馬中、チャンピオンズCの最先着馬はアンジュデジール(4着)。表3で好成績の5歳馬という点も強調材料になる。今回4番人気以内(表1)に入るかは微妙なところだが、まず前走G1組の中では筆頭格とみていいだろう。一方、東京大賞典組の登録馬は、次走に川崎記念(1月30日)が予定されているアポロケンタッキー1頭のみ。仮に本競走に出走しても、この組の好走条件である同レース4着以内を満たしていない(10着)。

 前走G1以外の組では、観月橋Sのインティ(1番人気1着)が、「中央の1800m戦に出走し4番人気以内」(表6)の条件をクリア。インティは、「5歳」という年齢も強調材料(表3)。加えて5連勝がすべて圧勝という戦歴から、1番人気に推されるようなら心強い(表1)。

 また、名古屋グランプリを2番人気で制したチュウワウィザードは、前走地方競馬組の好走が東京大賞典出走馬に限られる点はマイナス材料(表4)。ただ、もしこちらが1番人気なら軽視はできない存在になる(表1)。ほかに穴候補として、1800m戦を2桁人気で5着前後にまとめた馬(表6)、カゼノコシャイニービームの名前を挙げておきたい。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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