ブンデスでの苦労を糧とした鎌田大地 決定力をベルギーメディアが絶賛

中田徹

「自分が点を取らないと上に行けない」

チーム内に点を取れる選手がいないことも、得点力を磨くきっかけになった 【Getty Images】

 鎌田自身は「自分のポジションは10番です」と言うが、センターFWのボリと横並びのポジションを取り、まるで2トップのようにプレーする時間が結構長い。ベルギーでは、鎌田のポジションを「スピッツ(ストライカー)」と語る専門家もいるほどだ。

「僕はトップ下ですが、このチームに点を取れる選手がいなくて、僕自身の動き方もすごく変わってきた。より一層ゴールに近い位置でプレーするようになり、オフサイドラインで突っ立っていて、そこからクロスに入っていったりとか動き方も変わってきた。それがいいことなのか分からないですが、こういう下のリーグに来た時に自分が点を取れないと上に行けないと思っている。もちろんアシストも増やしたいですが、今はゴール。他に取っている選手がいないのでアシストも何もないわけで、今はこのまま続けていきたいです」(11月4日、対ズルテ・ワレヘム戦後の鎌田)

 ベルギーでは「STVVの冨安健洋、遠藤航が日本代表に選ばれたが、目を引くことに鎌田大地は選ばれなかった」(『ヘット・べラング・ファン・リンブルフ』紙)と、鎌田が日本代表のメンバーから漏れたことに驚く報道もある。だが、鎌田には昨季、実戦から離れたブランクがある。今は所属クラブでもっと試合に出続け、結果を出すことに集中すべき時期なのかもしれない。

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著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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