西武・辻監督 CS直前単独インタビュー
「今の戦い方は曲げちゃいけない」

雄星のSB戦勝利は「チームを大きくしてくれる」

9月28日のソフトバンク戦で白星を挙げた菊池(写真右)。辻監督も「チームを大きくしてくれる1勝」と改めてエースを称えた
9月28日のソフトバンク戦で白星を挙げた菊池(写真右)。辻監督も「チームを大きくしてくれる1勝」と改めてエースを称えた【写真は共同】

――投手陣についても伺います。冒頭にも挙げておりましたが、夏場から安定感が見られた要因はどんなところでしょうか。


 後ろ(リリーフ陣)が安定してきたんじゃないですか。マーティンが来て、ヒースが9回にハマって、増田(達至)が調子を上げてきてくれた。落ち着いて戦えるようになったのが前半戦よりは良くなったところですね。


――マーティン、ヒースに加えて、トレードで小川(龍也)投手も獲得しました。リリーフ陣の強化は現場からの要望としてありましたか。


 そりゃそうですよ。球団にも見てもらってね、そういうタイミングで。小川に関しては僕が中日で2軍監督のときから知ってますから。だから、あいつもやりやすかったんじゃないですか(笑)。


――先発陣については、エース菊池雄星投手がいて、多和田(真三郎)投手が勝ち星を積み上げました。


 昨年から野上(亮磨/巨人)が抜けて、シュリッターが抜けて、牧田(和久/パドレス)も抜けて……。投手陣全体で不安があったんですけど、まずは先発で11勝した榎田(大樹/開幕直前に阪神より加入)が、ローテーションに入って2ケタ勝ってくれたのが非常に大きい。多和田も勝ったり負けたりしていましたけど、最終的にはかなり勝って貯金をつくった(16勝5敗)。


 雄星は肩の調子がしっくりこないところで、こちらからちょっと言ったこともありますけど、彼は本当にエースとしての立場をわかってますから。しっかり投げなきゃいけない中でなかなか思うようにいかず、ジレンマというか悩んだことも多々ありましたけど、勝ち星を挙げて貯金も作ってくれていますしね(14勝4敗)。最低限のことはやってくれたと思います。


――優勝会見でも「菊池雄星のソフトバンク戦初勝利(9月28日)が印象に残っている」と話していました。


 やっぱり、エースたるもの、そこは重要なんですよね。大事な試合を任せるわけですから。彼がモヤモヤとしているもの、18試合ずっとソフトバンク相手に勝っていなかった(同日まで通算0勝13敗だった)けれど、勝ったことがまた彼を大きく変えてくれる。チームを大きくしてくれる1勝だったと思いますよ。


――多和田投手について、これだけ白星を重ねられた理由は?


 打線でしょう。援護があれだけあったから、最後は防御率3点台になりましたけど、終盤まで4点台で推移していましたし。それでも一番完投能力があるので、粘り強くはなったんですけど、後々エースにならなきゃいけないピッチャーなので、最多勝を取れたことが自信になってくれれば。今年は勝ち負け以上に1シーズン投げられたことじゃないですか。投げきったことが一番良かったことかなと思いますね。


――榎田投手が11勝挙げたのは驚きだった?


 2ケタとは言わなくても、ウチの打線を持っていけば(ある程度は勝てる)と思っていました。ベテランらしい投球術を持っていて、いろんなことをピッチャーとして身につけているので。球威とかそういうところは(少し劣るかもしれない部分が)あったでしょうけど、本当に打線が榎田に限らずいろんな投手に対しても影響を与えてくれました。先取点を取れば先発は楽になるし、1点取られても頑張っていれば打線が逆転してくれるという気持ちになってくれれば、その1点をすごく大事にやっていくと思うんですよ。次の点を与えないように。それを常に持ってやりなさいとは投手陣に話しているんですけどね。


――1点を取られないようにしようと伝え続けたことが結果として表れたと思いますか。


 ピッチャーに関しては1点を大事にしていく気持ちで投げてくれたと思いますし、バッターも仮にビハインドの状況だとしても、点を取りにいく野球をやってくれたと思いますよ。だから、相手に「何点あってもわからないよ」ってことを打線は実行してくれたと思います。


――CSの戦い方はシーズンと変わらずやっていく?


 もちろん変えないです。まだまだ2年目で完璧に出来上がってないし、発展途上のチームですから。まだまだ強くなっていくので、今の戦い方は曲げちゃいけないと思います。


――先発陣の並べ方は考えている?


 どうしようかなと思ってます。とはいえ、基本は雄星がエースなので、まずは託していきます。その気持ちでいますよ。

CS突破して「本拠地で盛り上がりたい」

――辻監督自身、この2年間で継続してやってきたことは?


 いや、僕は別にないですよ。本当にもう、監督がぶれないように。それだけです。負けても次の日はその試合を頑張る、気持ちの切り替えだけはしっかりするように、新たな気持ちで迎えるだけです。


――編成面では源田選手をショートに据えたことが最大のヒットだと言われています。


 でもね、本当にこれは難しくてね。源田もそんなに体ががっちりはしていなくて、強いものはありますけど、心配ですよ。フルで出ているから、どこかで(休みを与えたい)とは思ってます。考えなきゃいけないなと感じますね。体のどこかが痛くても出てますから。2年連続フルイニング出場の記録があるので、まだまだ自然といければいいかなとしつつ、ちょっと考えなきゃいけないですね。


――辻監督もショートの経験がありますが、他のポジションに比べても負担は大きい?


 しんどいでしょ。一番しんどいところですからね。この2年間はあいつがちゃんとショートに座ってくれていたのがチームとして大きかったと思います。


――今回、レギュラーシーズンを終えて、南郷で事前合宿を行うことは前々から考えていた?


 そうですね、ベテランにも少し話をしつつ。体調が一番なので、特に年間通して出ている選手は疲れを取らなきゃいけない。疲れを取るためにはしっかりと南郷でやればいいのかな、(6日にシーズン最終戦を戦った)福岡から直接来たほうが一度東京に帰ってまた移動するよりは、こっちでしっかり調整してというのがいいのかなと。同じホテルに泊まって、同じ釜の飯を食って、「さぁやるぞ」という気持ちになってくれればいいかなと思いセッティングしました。


――書籍などを読むと、辻監督の現役時代にも短期決戦の前に同じような合宿があったようですね。そのときの記憶もあって、今回の行程になった?


 あぁ、ありましたね。どっちみち実戦から遠ざかるところで、フェニックスリーグが今日から始まるところでそれが一番いいかなと。


――最後にCS、日本シリーズと続いていきますが、ファンの方々にメッセージを。


 やっぱり昨年と違ってファイナルステージでのスタートですから。勝てば日本シリーズ進出なので、一番の違いは(本拠地の)メットライフドームで戦える。これが最大のアドバンテージだと、われわれは思っています。昨年以上にたくさんのファンに応援されながら、メットライフドームでは素晴らしい勝率をたたき出しました(6割7分2厘)。本当に心強い、西武ファンの応援をいただいて、まずは日本シリーズに出場できるように頑張りたいと思います。


――ファンの大声援を受けて、最後まであきらめない戦いを見せていただきたいです。


 優勝は所沢のみなさんの前でできなかったですから、今度は本拠地で大いに盛り上がりたいと思います。


(取材・文:加賀一輝/スポーツナビ)

スポーツナビ

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

スポナビDo

イベント・大会一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント