東洋、早稲田らが“打倒・青学大”狙う 充実の夏合宿を経て駅伝シーズンへ

月刊陸上競技

法政大、夏のテーマは「タフさを身につける」

今年の箱根駅伝で6位に入りシード権を獲得した法政大。5区区間賞の青木涼真(写真)らが激走を見せれば再び上位フィニッシュの可能性も 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 正月の箱根駅伝で6位に入り、12年ぶりの連続シードを達成した法政大。夏合宿では「タフさを身につける」をテーマに、あえて暑い午前中にメニューを組むなど「悪条件でもしっかり走るということを徹底させました」と坪田智夫駅伝監督。新潟・妙高での2次合宿は、3000メートル障害で7月のU20世界選手権(フィンランド・タンペレ)に出場した人見昂誠ら1年生8人を含む27人で実施した。

「おもしろいのが何人か出てきています。ただし、上級生の層が厚いので、1年生は出雲と全日本で使うつもりはありません」(坪田監督)

「5位」を目標に掲げる箱根駅伝については「坂東悠汰(4年)、青木涼真、佐藤敏也(3年)が区間賞争いをすれば、残る区間は区間10位前後でも(総合5位は)十分見えてくる。下りは(佐藤以外にも)何人か走れそうなのがいます」と指揮官は話す。

 青木は2次合宿で左膝とアキレス腱を痛めたが、「ここで無理をする必要はないので、3つの駅伝で結果を残したい」と本人はまったく心配していない。前回の箱根5区では区間新記録を樹立したが、「歴代の『山の神』と呼ばれた人たちと並べるような走りがしたい」と自信をのぞかせた。“山”で青木が再び激走すれば、上位争いを沸かせるかもしれない。

9年ぶりに予選会からの再出発となる駒澤大

シード権を逃した“平成の駅伝王者”駒澤大は予選会に回ることに。主将を務める堀合大輔(右)らが予選トップ通過を含めた『2.5冠』を狙う 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

“平成の駅伝王者”駒澤大が、今年は9年ぶりに箱根駅伝予選会からのスタート。正月の箱根は12位に終わり、今季のトラックシーズンもそれほど目立った活躍は見られなかったが、チームは夏から上昇カーブを描いている。

「前半戦はあまり結果を出せなかったのですが、夏合宿では上級生を中心にいい練習ができています」と話すのは7月からキャプテンを務める堀合大輔(4年)。エースの片西景(4年)も「チームの上位選手と中間層の差が縮まってきたので、ここにきて戦えるメンバーがそろってきました」と手応えを口にする。

 予選会トップ通過を「0.5冠」と見立てて、全日本と箱根を合わせた『2.5冠』が今季のターゲット。今季は上級生が戦力の中心で、大八木弘明監督は「シーズン前半はトラックをあまりやらず、25〜26キロ走を中心にスタミナ作りをしてきました。4年生はしっかり練習ができています」と話し、駅伝シーズンに向けて準備は万端だ。

「上級生はみんなAチームで練習ができてますし、自分も他大学のエースと戦えるようにしたい」と堀合。箱根のシード校ではなくとも、駒澤大は名門のプライドを持って平成最後の駅伝シーズンを戦うつもりだ。(文・酒井政人)

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著者プロフィール

「主役は選手だ」を掲げ、日本全国から海外まであらゆる情報を網羅した陸上競技専門誌。トップ選手や強豪チームのトレーニング紹介や、連続写真を活用した技術解説などハウツーも充実。(一社)日本実業団連合、(公財)日本学生陸上競技連合、(公財)日本高体連陸上競技専門部、(公財)日本中体連陸上競技部の機関誌。

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