2強の川崎、三河も侮れない富山の攻撃力 B1リーグ開幕プレビュー 中地区編

『hangtime』編集部

激戦の東地区から帰ってきた川崎に注目!

篠山(写真)、辻、ファジーカスなど川崎は代表クラスのタレントぞろい 【(C)B.LEAGUE】

 昨シーズンの中地区は、シーホース三河が頭1つ(いや、2つ3つ!?)飛びぬけた実力を発揮し、リーグ全体でも最高勝率となる8割(48勝12敗)を記録して地区優勝を果たした。しかしながら、今シーズンはそうはいかない。なぜなら、川崎ブレイブサンダースが東地区から移ってきたからだ。

 川崎は激戦区と言われた東地区で3位ながら、41勝19敗で勝率7割越えの好成績を残し、チャンピオンシップ(CS)クォーターファイナルで千葉ジェッツと対戦。GAME3までもつれる熱戦を演じたものの、惜しくも敗れてしまった。

 もともと川崎は、Bリーグが開幕したシーズンは中地区でスタートし、49勝11敗でリーグ最高勝率と、CSファイナル進出(栃木ブレックスに敗れ準優勝)を果たしている。当時の三河はというと、西地区の所属でぶっちぎりの強さを発揮し、地区優勝を決めていた。

 1シーズン目、2シーズン目にリーグ最高勝率を残した両クラブがそろい踏みとなる今シーズンの中地区は、三河と川崎を軸に展開されるのは間違いないだろう。特に川崎は外国籍選手が入れ替わったものの、引き続き北卓也ヘッドコーチ(HC)が指揮を執り、主力はほぼ残留した。PGでキャプテンの篠山竜青、シューターの辻直人、大黒柱となるニック・ファジーカスの強力ラインナップはリーグ屈指の存在感を誇る。しかも、ファジーカスが帰化選手としてシーズン開始からプレーするだけに、中地区をリードする存在になりそうだ。

 不安があるとすれば、そのファジーカスのコンディション。オフに左足関節遊離体摘出手術を受け、リハビリを経ての復帰となる。また、篠山、辻の両選手が代表活動でチームを離れていたこと、外国籍選手が入れ替わったこともあり、全選手合流後の短期間でどれだけチームプレーの精度が上がっているかがカギになる。付け加えると運営会社が「(株)DeNA川崎ブレイブサンダース」に代わり、どんなエンターテインメントで楽しませくれるのか、そこにも大いに期待したい。

主力が抜けるも「らしさ」が薄れなければ強い三河

三河はシューターの金丸(14番)を中心にバランスの取れた戦力を有する 【(C)B.LEAGUE】

 川崎の対抗馬となるのが三河。何度も優勝経験があり、名将と呼ぶにふさわしい指揮官・鈴木貴美一が今シーズンもチームを率いる。ただ、鈴木HCにとっては、これまでで最も難しいシーズンになるかもしれない。

 その理由は2人の中心選手がチームを離れたからだ。PGとしてゲームメークをし、キャプテンを務め、タフなメンタルで精神的支柱として活躍した橋本竜馬が琉球ゴールデンキングスへ去り、攻守の要であり、日本代表を引っ張る存在の比江島慎が海外でのチャレンジ(栃木ブレックスを経て豪州のブリスベン・バレッツへ)を決めた。

 戦力ダウンは否めないが、そこは鈴木HCの手腕に注目したい。また、リーグを代表するシューター・金丸晃輔と、ベテランの桜木ジェイアールがチームを引っ張っていくはず。生原秀将という生きのいいPGが栃木から移籍してきており、狩俣昌也、村上直とはまた違ったアクセントをつけて活躍するのは間違いない。

 インサイドのアイザック・バッツが安定した力を発揮し、アウトサイドの松井啓十郎や、スピードに乗ったプレーが得意の西川貴之らも健在だ。あとは新外国籍選手の活躍が気になるところだが、攻守にバランスが取れたロスターがそろったことで地区優勝、あるいはCSを戦い抜くイメージが出来上がってきたと言える。たとえ主力が抜けたとしても、僅差で勝ち切る「三河らしさ」に緩みがなければ、今シーズンの中地区は川崎、三河の地区優勝争いとなるだろう。

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著者プロフィール

B.LEAGUEを中心に、AKATSUKI FIVE(日本代表)やストリートボールまで、日本のバスケットボールの魅力を、わかりやすい記事とデザイン性の高い誌面でお届けする、新しいバスケットボール専門誌。Issueごとに独自の視点で特集を組み、興味深い企画で構成。

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