- 長谷川亮
- 2018年9月26日(水) 12:10

「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN 〜初代クルーザー級王座決定トーナメント〜」が24日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナで開催された。
大会ではK-1スーパー・フェザー級王者の武尊とK-1スーパー・バンタム級王者の武居由樹が、さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナで行われた「K'FESTA.1」(3月21日)以来のそろい踏み。ともに半年ぶりの実戦となったが、休養期間にさらなるパワーアップを果たし、圧巻のKO劇を見せた。
階級変更による圧力も、パワーとスピードが増し圧勝

武尊の相手はイングランド、フランス、スロバキア、中国と世界各地を転戦し、60キロと65キロで世界王座を持つスペインのダニエル・ピュータス。激しい連打と強打でムエタイに迫った伝説の名選手ラモン・デッカーにちなみ、“スペインの地獄の風車”と呼ばれている。
「60キロの身体はまだ完成していない」という武尊は、ピュータスに対し「やっぱり身体がデカくて、向かい合った時にプレッシャーを感じた」と話すが、階級を上げたことでより鋭さを増した前蹴りを幾度も飛ばし、ピュータスの腹を赤くさせるとともに進入を阻む。これで距離を保つと、右クロスを側頭部に打ち込みダウンを奪取。ダメージの色濃いピュータスにパワーとスピードが増した連打をたたき込み、1ラウンド2分9秒で仕留めた。
武居は宣言通りの4連続KO

武居の相手は、19歳にして27戦と武居を上回るキャリアを持ち(武居は17戦)、欧州王座も獲得しているフランスの“激闘系ムエタイ戦士”アクラム・ハミディ。
試合が始まるとフットワークでリングを回る武居に対し、ハミディは前蹴り、バックスピンキックと蹴りを飛ばしていく。これはなかなか手ごわそうと感じさせたハミディだったが、武居は前へ出るタイミングを見計らい、右アッパーからの左ストレートをズバリ。試合前のVTRでは「1ラウンド半ばぐらいにKOできれば」と語っていた武居だが、まさにその言葉通り初回1分42秒でのKO勝利となった。
これで武居は4連続KOとなり、ここ3試合はいずれも初回KO勝ち。KOは生まれにくいと思われていた軽量級だが、かつての武尊と同じように、武居に関してはそのイメージを覆しつつある。
皇治は判定勝利で改めて武尊に挑戦表明

ブランク中に今まで以上の強さを身に着け、KO共演を果たした両王者の次戦が気になるところだが、かねてより武尊をターゲットにしてきた皇治がこの日ギリシャのスタウロス・エグザコスティディスに延長戦で判定勝利。あらためて「タケポン(武尊)のすべてを奪いに行ってやろうと思っています」と12月8日に開催されるK−1大阪大会での挑戦を表明した。
一方武居は来年3月さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナで行われる「K'FESTA.2」でのメインを目指しており、大阪大会に関しても「呼んでいただけるのであれば出たいです」と回答。今後も「全試合1ラウンドでのKOで勝っていきたい」と目標を口にした。