「スーパー未勝利」ダートに単勝15倍の壁 10倍台後半は買う価値が低いゾーンに

JRA-VANデータラボ

単勝オッズ別成績推移(ダート戦)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて表4は「スーパー未勝利戦」(ダート)に戻り、その「15倍」近辺の「7〜9倍台」「10〜14倍台」「15〜19倍台」について、13〜17年の年別成績を見たものである。注目したいのは「15〜19倍台」で、連対馬が出ていたのは期間内の前半2年、13年と14年のみ。15〜16年は好走しても3着まで、そして昨年はついに3着馬すら不在となってしまった。また、「10〜14倍台」は昨年成績をやや落とし、その分「7〜9倍台」が上がっているが、これは15年、16年に逆転現象が起きており、昨年は自然な形に戻ったと言えるだろう。いずれにしても、近年はこの「15倍の壁」が厚くなっているようだ。

15〜17年、単勝オッズ別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4を受けて15〜17年の単勝オッズ別成績(ダート戦)を改めて集計したのが表5だ。表2でも大きな差があったが、過去3年にかぎったこの表5では、ひと目で明白な差がついていることがわかる。

単勝13〜14倍台の年別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に、単勝「10〜14倍台」の中でも「15倍の壁」に近いところ、「13〜14倍台」だけを抽出した成績も見ておきたい。こちらもやはり15年以降の成績は向上し、15〜17年の複勝率は32.4%、単複の回収率はそれぞれ111%、124%をマークした。表5の「10〜14倍台」に比べると特に勝率が低く、その分単勝回収率も172%から111%になっているが、それでも100%超なら文句なし。15倍を切っていれば、13倍や14倍でもまったく問題ないという結果だ。

 以上、この時期に行われる「スーパー未勝利戦」から、特にダート戦の単勝オッズに注目していくつか傾向を調べてみた。近年は特に「単勝15倍」を境にまったく結果が異なっており、また、もし穴を狙いたいなら、15〜19倍台よりは20倍以上のほうが良い、という表2や表5の結果だ。本稿執筆中の15日(土)にはダートの3歳未勝利戦が3鞍行われ、単勝15倍以上で馬券に絡んだ3頭(各レース1頭ずつ)は、15〜19倍台ではなく、いずれも20倍以上の馬だった。今週、来週の阪神・中山合計10競走は、いつも以上にレース直前の単勝オッズを意識して馬券を組み立て、好結果に繋げたい。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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