菅野と大瀬良が1位の座を分け合う? セ・パ個人タイトル争い<投手編>

ベースボール・タイムズ

パ先発:多和田、ボルシンガー…新顔が登場

西武・多和田はプロ3年目で大きく飛躍。自身初のタイトル・最多勝を手中に収めそうだ 【写真は共同】

 一方のパ・リーグ。先発部門では、成績上位に新たな名前が目立っている。

 最多勝争いではプロ3年目の多和田真三郎(埼玉西武)が、ここまでリーグ単独トップの14勝をマーク。昨季までのプロ2年間で計12勝だったが、今季はジャンプアップの年となっている。その多和田を5月から7月にかけて11連勝を飾ったボルシンガー(千葉ロッテ)が、1勝差の13勝で2位に付けている。3位の菊池雄星(西武)も12勝で辛うじてではあるが射程圏。残り3試合に登板して全勝すれば可能性はある。

 多和田は9月2戦2勝と勢いを取り戻す一方、ボルシンガーはコンディション不良などで残り試合の登板を回避するとの情報も。この状況を鑑みると、多和田が初のタイトルをほぼ手中に収めたと言っていい。

 防御率は岸孝之(東北楽天)が2.63でトップを走る。2位の菊池は3.07と逆転するには厳しい状況なので、残り試合で余程の大量失点を喫しない限り、西武時代の2014年の最高勝率以来となるタイトル獲得が濃厚だ。

 最多奪三振のタイトルは、ドクターK・則本昂大(楽天)が面目躍如。今季は不安定な投球が目立って、成績も8勝10敗、防御率3.87とらしくない成績だが、三振数はここまでリーグトップの167個をマーク。2位の岸が153個で追うが、残り試合が少ない中での14個差は大きく、史上3人目の5年連続奪三振王は現実味を帯びている。

 勝率については、ボルシンガーが8割6分7厘と強力な数字を残す。多和田が仮に残り3試合に登板し、すべて白星を挙げても及ばないため、来日1年目でのタイトル獲得が確実だ。

<各タイトル争いの現状>

・最優秀防御率
1位:岸孝之(楽天)2.63
2位:菊池雄星(西武)3.07
3位:上沢直之(北海道日本ハム)3.29

・最多勝
1位:多和田真三郎(西武)14勝
2位:ボルシンガー(ロッテ)13勝
3位:菊池雄星(西武)12勝

・最多奪三振
1位:則本昂大(楽天)167個
2位:岸孝之(楽天)153個
3位:千賀滉大(福岡ソフトバンク)140個

・勝率第1位投手
1位:ボルシンガー(ロッテ).867
2位:多和田真三郎(西武).737
(※13勝以上の投手を記載)

パ救援:FA加入1年目でセーブ王へ

 最後に残るのがパ・リーグのリリーフ部門。最多セーブ争いでは今季も各チームの守護神が僅差で争っているが、その中でFA移籍1年目の増井浩俊(オリックス)が31セーブを挙げてトップ。9月は4試合で0勝1敗1セーブ、防御率6.75とやや調子を落としているが、2位の森唯斗(ソフトバンク)とは4差を付けており、日本ハム時代の12年に獲得した最優秀中継ぎ投手以来のタイトルを手中に収めそうだ。

 その最優秀中継ぎ投手は鉄腕サウスポー・宮西尚生(日本ハム)でほぼ決まり。今季もここまで51試合に登板して防御率1.30と安定感抜群で、39HP(4勝35ホールド)をマークしている。2位には高卒2年目の快速右腕・山本由伸(オリックス)が35HP(4勝31ホールド)で追っているが、残り試合(日本ハムが17試合、オリックスが12試合)の中で、宮西がさらに数字を伸ばすことを考えると、逆転は困難か。宮西が2年ぶりに同タイトルを奪還する可能性は非常に高い。

<各タイトル争いの現状>

・最多セーブ
1位:増井浩俊(オリックス)31S
2位:森唯斗(ソフトバンク)27S
3位:内竜也(ロッテ)25S

・最優秀中継ぎ投手
1位:宮西尚生(日本ハム)39HP
2位:山本由伸(オリックス)35HP
3位:松永昂大(ロッテ)28HP

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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