セミファイナルでは、藤波辰爾＆獣神サンダー・ライガー＆佐野巧真が豪華トリオを結成。“サモアの怪鳥”ワイルド・サモアン＆大矢剛功＆ブラック・タイガーV組と対戦した。

　新日本で一時代を築き、いまなお現役を続ける藤波、“ジュニアのレジェンド”として世界的な人気と知名度を誇るライガー、新日本からＵＷＦ、プロレスリング・ノアなどで活躍した佐野の合体に客席は早くも大興奮。一方、現在５５歳のワイルド・サモアンは、８４年３月に新日本マットに初来日し、従兄弟のグレート・コキーナとのタッグで活躍した往年の名レスラーだ。

　ライガーがタイガーにロメロスペシャルを決めると、客席からは大歓声。サモアンは佐野に強烈なハイキック、ボディースラムを見舞うも、ボディープレスはかわされる。藤波もタイガーにドラゴンスクリュー、大矢に卍固めを狙う。サモアンが佐野への連係をかわされて自爆する間に、ライガーがタイガーに掌底、藤波が張り手、佐野がフィッシャーマンズバスターとたたみかけてフィニッシュ。

　快勝劇にライガーは「僕がプロレスに入るきっかけを作った藤波さんと、先輩の佐野さん、この３人で組めば怖いものなしだ。誰でもかかって来い！」と鼻息荒く、後ろのポスターに掲載されていたBATTの武藤、馳、ケアの３人を次の標的に指名。一方、藤波は久々に戦ったサモアンとの再会を懐かしんだ。

　第３試合では「偉大なる達人vs.蘇った海賊ガスパーズ スペシャルタッグマッチ」と題し、かつて新日本マットを席巻した海賊男の末裔コリー・ガスパー＆カリー・ガスパーと、マシン軍団のマネージャー・将軍KYワカマツが異色合体。グレート小鹿＆キム・ドク（タイガー戸口）の元日本プロレスコンビと対戦した。

　海賊男が初登場したのは８７年。当時、米国フロリダ州タンパで海外遠征中だった武藤の元を、ホッケーマスクを被った謎の人物が急襲。その後、新日本の事務所に海賊ビリー・ガスパーを名乗る者から襲撃予告が届き、今度は日本でアントニオ猪木が標的とされた。特に同年３．２６大阪城ホールでは、メインイベントのvs.マサ斎藤戦に乱入し、斎藤に手錠をかけて連れ去ったことにより、不満を持った観客が暴動を起こすなど、新日本マットの歴史に名を刻んだ。

　一方、ワカマツはカナダ・カルガリーで悪徳マネージャーとして活躍し、８４年に帰国後はスーパー・ストロング・マシン率いるマシン軍団のマネージャーに就任。白い衣装＆赤いメガホンで観客をあおりまくり、存在感を示した。今年の新日本６．１９後楽園大会で行われたマシンの引退セレモニーにも往年のスタイルで登場するなど、健在ぶりをアピールしている。

　７６歳のワカマツは、「マシンを育てた」実績をアピールし、「オレ様が海賊ガスパーズを世界に通用するレスラーに育て上げる。オレ様のところに来い」と豪語。海賊コンビを手なずけるが、相手は７６歳の小鹿と７０歳のキム・ドクという百戦錬磨の２人。カリーに合体ラリアットを見舞うと、さらにドクが指へのかみ付き攻撃。カリーも小鹿に金的攻撃を放ち、ドクにはデッドリードライブを決めるも、リングに飛び込んだワカマツのステッキ攻撃がカリーに誤爆。すかさずドクがツームストンを見舞い、逆転勝利を収めた。

　試合後、敗れた海賊男たちはワカマツに襲い掛かり、あっさり仲間割れ。しかし、小鹿＆ドクが救出すると、ワカマツは「せっかくおまえらに最高の舞台、ひのき舞台を用意したのになんだ」と恩知らずの海賊コンビに憤りつつも、小鹿、ドクと共に３人で手を挙げ、観客の声援に応えた。