投手・大谷の復帰はいつ? いよいよ実戦モードで最初のハードルへ

丹羽政善

まずは20日に何球投げるか

大谷は8月13日にブルペンで捕手を座らせてピッチング練習を行った 【写真は共同】

 では、20日に投げた後は、どういう経緯をたどるのか。

 ソーシア監督は、「その先はわからない。投げたあとで状態をチェックしてから」と話すが、おそらく大体の予定は決まっている。

 シミュレーションゲームに何回ぐらい登板するか。それによっても復帰時期が絞れるが、まずは、20日に何イニング、何球ぐらいを投げるのか。

 もしも2イニング35球前後なら、3回はリハビリ登板をさせるのではないか。いきなり3イニング50球を投げるなら、その次は5イニング70球。そこで問題がなければ、2回で即復帰、ということもありえる。

 次に注目すべきは、どの程度の間隔をあけて、登板させるか。

 6月の故障前までの間隔なら中6日。通常なら中4日だが、現在、打者として出場もしているので、当然ながらその兼ね合いもある。回数と間隔。どの組み合わせが有力かだが、ソーシア監督が指摘したように、もちろん大谷の靭帯次第。

 また、20日はトラックマン(弾道測定機器)が設置された球場で投げるので、球速はもちろん、回転数、ボールの変化量、リリースポイントなどが数値化できる。仮に本人に違和感がなくとも、そこで得られるデータも登板間隔、登板回数などを決める上で参考となるのではないか。

 さて、いろいろシュミレートし、問題がなければ、という前提で考えれば、9月10日前後がターゲットと考えられる。

 おそらく、5イニング、80球を投げ、翌日になっても肘に問題がなく、数値的にも目標値をクリアしていれば、その次が復帰登板となるのではないか。

 何はともあれ、20日のシュミレーションゲームは今後への大きなバロメーターとなる。

「打者との感覚はちょっと空いているので、どんな感じなのか(確認が)必要」と大谷。
 まずは、最初のハードルに挑む。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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