復活期すマカヒキより◎を多く集めた馬は GI馬3頭参戦、札幌記念の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

低評価に反発 過去の覇者たちも腕を撫す

函館で条件戦を連勝してきたマイスタイル(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「ちょっと意外なのは、昨年の覇者サクラアンプルールに誰も◎がいない点だな。その昨年はGI馬が不在のメンバーだったこともあるけど……」

板子「それ以上に、手の内に入れていた田辺騎手が落馬負傷で急遽の乗り替わりとなる点が痛いかもしれませんね。前走の函館記念はトップハンデと久々を考えれば上出来の2着でしたし、中間の調教も2本だけですが、当初からの予定通りの調整で全く問題はありません。あと、もう一つの不安材料は週中の雨ですね。良馬場でこそのタイプですから」

清野「私は、昨年の覇者よりも一昨年の覇者ネオリアリズムの方を。何と言っても3戦3勝の札幌は得意の舞台ですし、昨年こそ体調が伴わずに出走を見送りましたが、今年は函館で順調に調整できていますからね。天皇賞は極悪馬場、前走のドバイは落鉄と敗因はハッキリしている上に、何より一昨年の勝利はあのモーリスを負かしたもの。鞍上もモレイラ騎手なら、◎もアリかと思います」

木谷「この馬は気性的に乗り難しい面があって、コーナー4つの中距離戦が一番しっくり来る条件だと思います。洋芝実績も言うことないですし、そろそろモレイラ騎手も日本での重賞勝ちが欲しいところですしね」

板子「前走のドバイは、落鉄もありましたが、陣営によると“ナイター競馬でテンションが高くなった上に現地の暑さも応えた”とのことです。遠征の疲れは取れていて、最終追いの手前の替え方や雰囲気などからも、陣営のトーンは上々なんですが、個人的には一昨年に勝った当時の迫力に欠ける印象も否めませんね」

デスク「これまたドバイ帰りで、まだ名前の挙がらないGI馬モズカッチャンは、久々が割り引きとなるのかな」

広田「帰国後は放牧先で疲労回復に努め、函館に入厩してからもすこぶる順調に調教メニューを消化しています。涼しい函館で調整しやすかったこともあるでしょうが、一週前の本馬場でも力強い動きを見せていたように、仕上りは良好です。“血統的に力の要る洋芝は合うだろう”と、鮫島師は初の札幌コースにも不安はない様子でしたよ」

山崎モズカッチャンは、過去の休み明けでは反応が一息で、叩かれてのタイプなんじゃないかと。力は牡馬相手でも足りると思うんですが……」

広田「函館入厩組の穴馬としてはスズカデヴィアスを挙げておきたいですね。前走については“函館であの位置ではさすがに届かない”と、橋田師も振り返っていたように、位置取りが後ろ過ぎましたが、それでもあそこまで差を詰めたのは地力の証明でしょう。“最近では一番の動き”と、師が言うほど、涼しい函館で調子は維持できていますし、先行馬揃いのメンバーでロングスパートがハマれば一発の可能性もあるはずです」

馬場ゴーフォザサミットも、陣営の雰囲気は悪くないですよ。前走後に予定していた米国遠征は、飛行機の機材トラブルで断念せざるを得ませんでしたが、ここに目標を切り替えてからは順調そのもので“デビュー戦で札幌を使った時とは状態が違うし、洋芝の2000mというのも悪い条件ではない。馬場が渋っても問題ないし、春先よりもトモの感じが良いので流れにも乗りやすいと思う。このメンバーだから胸を借りるつもりで臨むけど、どこまでやれるか楽しみはある”とのことでした」

デスク「さっきも展開の話が出たが、目黒は敢えて厳しそうなマイスタイルに◎ときたか」

目黒「函館での2連勝は、オープンからの2階級降格で力の違いを見せ付けた形でしたが、昆師は“菊花賞はダメージが残る馬場での競馬だったからね。そこから無理をさせずに休ませたことが、肉体的にも精神的にも今に生きてきている感じがする”と、振り返っていました。さらに“弥生賞で2着してダービーも4着だったけど、あの時季に完成する馬じゃないと思って作ってきたし、これからまだ力を付けてくれそうな感じがする。今回はさすがに相手が強くなっているけど、有力馬は休み明けの馬が多いし、こちらは2連勝で臨めるんだからね。洋芝の適性の高さを見せられないか”と。先行激化が予想されてここ2走のような単騎逃げは望み薄ですが“ハナにはこだわってないよ。出たなりの位置で運んでもらう予定”なら、大駆けに期待してみる手もありますよ」

デスク「で、あとは木谷だが、ローカルスタッフとしての真面目な木谷じゃなくて、いつものオフザケモードの◎に見えるが」

木谷「僕としては、アストラエンブレムがこんなに人気がないのは不思議なんですが……。前回が去勢明け3戦目で巴賞を2着。一般的にホルモンの関係とか何とかで、去勢後は半年ぐらい本調子じゃない、なんて話を聞いたことがあるので、この馬にもピッタリ当てはまるのかと思うんですよ。2〜3歳時には重賞戦線でも世代屈指の末脚を誇っていた馬ですし、エプソムCと新潟記念で2着もあって実績も十分です。それに人気薄の藤岡康騎手というのも魅力的ですしね」

デスク「だったら、マルターズアポジーだって不当な人気薄だと思うけどな。一時は“サイレンススズカの再来か”と、俺が勝手に思っていたほどの逃げ馬。武豊を鞍上に迎えた前走なんかもちょっと期待はしたんだけど、結果的にレコード決着を生んだんだから、まだ力は衰えていないと思うんだ。1番枠から他馬を引き離すような逃げを打ったら、ひょっとすると……と思っているんだが」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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